汗疱とは、手のひらや足の裏などに粟粒ほどの大きさの水疱がたくさん生じる病気のことです。

数ミリの小さな水疱が合わさって、大きな水疱になることもあります。

水疱のでき始めは、かゆみを伴いますが、数日たつと水疱が破れてジュクジュクした後、皮がむけぼろぼろになります。

この汗疱にかゆみがある場合、幹部を冷やすことは効果があるのでしょうか。

今回は汗疱がかゆい時の対策法についてご紹介します。

汗疱でかゆい時は冷やせばいいのか

皮膚がかゆい時は、原因が何であろうと、皮膚をかきむしってしまいがちです。

しかし、かゆいからと言って、皮膚をかきむしってしまうことは、一番いけないことです。

特に汗疱でかゆい時はなおさらです。

汗疱でかゆみが伴った時、かきむしってしまうと、皮膚が傷つき、そこから細菌などが入ってしまい、炎症を起こしてしまう可能性があるからです。

 

では、汗疱でかゆい時は、どうしたらいいのでしょうか。

 

一番良いことは、「冷やす」ことです。冷やすことで、かゆみが落ち着いてくるのです。

水につけるよりは、保冷剤などで冷やすことが効果的です。

保冷剤を使用することで、皮膚が乾燥をすることも防ぐことが出来ます。

 

汗疱の原因

汗疱ができるはっきりとしたメカニズムは、今の医学では明確にはなっていません。

原因として考えられることは下記になります。

汗疱ができてしまう原因は、個人個人違うため、それぞれにしっかりとした原因をつきとめ、適切な処置を行うことが大切です。

 

発汗

夏場などの湿度の高い環境や、汗をかきやすい環境で生じます。

そのため、発汗との関係性が高いと言われています。

また多汗症の人は、汗疱が発生しやすいと言います。

汗が人より多く出てしまうため、皮膚の表面が汗によって、水分過多になってしまいふやけることで、毛穴がつまってしまうからと言われています。

金属製(接触性)アレルギー

敏感肌の人に多く見られます。

ニッケルやコバルトなどの金属に接触すると、アレルギー反応を起こしてしまう場合があります。

ニッケルは豆類やチョコレートなどの食品に含まれることが多いです。

金属アレルギーの人が、ニッケルを含んだ食品を口にすると、体内で汗を大量に分泌させる働きが活性化します。そのため、大量の汗をかくことになります。

大豆やチョコレートを食べて、汗が出やすい人は、金属アレルギーのテストを受けてみることをおすすめします。

ストレス

ストレスから自律神経が乱れ、汗疱が発症する場合があります。

自律神経には、体と活動的にさせる交感神経と、体をリラックスさせる副交感神経がありますが、自律神経が乱れると、交感神経ばかりが優先になってしまい、汗を大量に分泌させてしまいます。

大量に汗をかくことにより、皮膚が炎症してしまうのです。

食器用洗剤や有機溶媒

食器用洗剤や刺激物を触ることにより、手の保護膜となっている脂が落ちてしまい、それが原因で発症することもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の人は、汗疱が発症した場合、重症化する恐れがあります。

アトピー性皮膚炎の人と、そうでない人に比べて皮膚のバリアが薄いため、汗疱以外の皮膚の炎症も起こしやすいのです。

炎症を起こしている状態で、アトピー性皮膚炎の人が汗をかくと、皮膚が過剰反応をおこしてしまい、皮膚が分厚くなってしまいます。

そのため、体内の汗が体外に排出されにくく、汗疱が発症してしまうこともあります。

 

汗疱ができる原因は、必ずしも1つではありません。

しかし、発汗が増える春や夏にできやすく、涼しくなると収まるため、特徴が似ていることから、水虫と勘違いすることがあります。

 

汗疱の症状

汗疱の症状は、最初に1~2mmほどの小さな水疱ができます。

この状態では、ほとんど自覚症状はありません。

汗疱が出来てから時間が経つと、汗疱の水ぶくれが破裂したり、小さな汗疱が複数合わさって大きな汗疱となり、皮膚が破けます。

これを「汗疱状湿疹」と呼びます。汗疱状湿疹になると、特に初期段階では痛みやかゆみを伴います。

いけないとは分かってはいても、激しいかゆみを伴うため、かきむしってしまうと、出血してしまいます。

 

適切な処置を行えば、およそ2週間で治るとされていますが、炎症がひどいと重症化する場合もあります。

 

汗疱の治し方

一般的に、汗疱の治し方は2つあります。対症法と原因療法です。

汗疱を治すためには、これらの2つの対策を同時に行わなければ、完治することはできません。

かゆい時に、冷たいものを持ったりなど、冷やすことで、一時的にはかゆみは治まりますが、また時間が経つとかゆくなってしまうので、根本的な治療とは言えません。

体温が高いと、かゆみがでてくるので、部屋の温度を下げて、発汗しないようにするのも効果的です。

 

対症療法

かゆみがひどい場合は、病院でステロイド外用薬やサリチル酸を処方してもらうことが可能です。

我慢できず、掻きむしってしまうと、「サイトカイン」という、痒みの物質が分泌され、ますます痒くなってしまい、更に掻きむしってしまうという負のサイクルにはまってしまうのです。

 

掻きむしってしまうと、患部が荒れてしまうため、完治まで時間がかかってしまうのです。

これを避けるために、ステロイド剤を塗布して、痒みを抑えることは、有効的な手段と言えます。

しかし、薬ばかりに頼っていると、症状が発症しやすくなるほか、再発した際に、前よりも重症化してしまう恐れもあるため、薬でかゆみを抑えるほか、体質改善や食生活なども見直して、汗疱ができにくい体質にしていくことも大切です。

 

原因療法

汗疱ができやすい人は、手足に汗をかきやすい人です。

そのため、手足の汗を抑えることは、有効的な手段と言えるでしょう。

こまめに汗を拭きとったり、洗ったりすることを心掛けましょう。

手汗を抑えるクリームなどを使用するのも、効果的です。

高温多湿の状態で、発症しやすい汗疱ですが、皮膚が乾燥してしまうのも、よくありません。

汗疱になる人は、肌が敏感になっていることが多いので、刺激を抑えるためにも、乾燥には気を付けましょう。

 

汗疱が出来てしまったら

汗疱は自然治癒していきますが、汗疱ができやすい人は、多くの場合再発します。

では、汗疱が出来てしまったら、どうすればいいのでしょうか

 

病院に行く

汗疱が繰り返しできる場合は、皮膚科に行くようにしましょう。

病院で処方されるステロイド剤を使用し、皮膚の状態を改善することが大切です。

その後、再発しないように、予防ケアしていくことが最善の治療法です。

風邪のように、病院に行って薬をもらったからといって、すぐに完治するものではありません

乾燥を避ける

汗をかくのもいけませんが、乾燥させてしまうのもよくありません。

ハンドクリームや保湿クリームを使用し、皮膚のバリアが薄くなるのを防ぎましょう。

秋や冬は春や夏に比べて汗をあまりかきませんが、汗疱が発症しやすい人は、年間を通して保湿するように、心掛けましょう。

温めてはいけない

あまりにも痒いと、熱いお湯をかけることにより、一時的に痒みが治まり気持ちい胃のですが、これは絶対にしてはいけません。

暑いお湯によって、皮膚の油分が流されてしまい、皮膚のバリアが弱くなってしまうからです。

痒い場合は、温めるより、冷やすほうが効果的です。

まとめ

いかがでしたか。繰り返し起こる汗疱ですが、早期発見、早期治療でかなりの症状を予防できるものです。繰り返し汗疱が出来る場合は、自己判断せずに、皮膚科に行くことをおすすめします。

処方されるステロイド剤を使用しながら、体質改善をしていくことが、汗疱ができにくくなる最善の近道です。