汗をかいた後は、自分が汗臭くなってしまっていないか気になりませんか?

実は、「汗のニオイ」といっても原因は色々あります。

時には、汗のニオイが病気の可能性を表す「健康のバロメーター」となることがあるんです。

今回は、汗のニオイに隠された病気の可能性を検証していきます。

 

「汗のニオイ」に隠された病気の可能性とは?

それでは、汗のニオイに隠された病気の可能性について詳しくみていきましょう。

糖尿病の可能性

汗のニオイが「甘酸っぱい」と感じる場合は、糖尿病の可能性が考えられます。

「糖尿病」とはどんな病気?

ご飯やパンになどに含まれる糖質は、人間のにとって大切な栄養素のひとつです。

通常、糖質は消化されると体内でブドウ糖に変わります。

ブドウ糖は血液中を巡り、インスリンによって全身の細胞に取り込まれます。

パンやご飯、麺類などの炭水化物を摂取すると血糖値が上がりますが、運動などによってブドウ糖はエネルギーとして体内で消費されて血糖値が下がります。

通常であれば、血糖値は血糖を下げる唯一のホルモンである「インスリン」と血糖を上げる働きを持つホルモンのバランスによって、血糖値は一定を保ちます。

しかし、血糖値を下げる働きをもつ「インスリン」の機能が低下したり、インスリンの分泌量が低下すると細胞にブドウ糖が上手く体内に取り込まれなくなってしまうため、エネルギー源不足してしまうと「糖尿病」と診断されてしまいます。

「糖尿病」で汗が甘酸っぱいニオイになってしまう理由

エネルギー源の不足を補うために、中性脂肪を肝臓が分解して脂肪酸を作り、体内では脂肪酸からケトン体という別のエネルギー源が合成されます。

「ケトン体」は果物が腐ったような甘酸っぱいニオイがするため、糖尿病によって体内にケトン体が増えると、汗にもケトン体の甘酸っぱいニオイが混ざるのです。

近年、ダイエットの目的などで「糖質制限」が流行っています。

糖質制限を行っている場合でも、ケトン体の甘酸っぱいニオイが汗に混ざって出てきます。

素人判断で放置をしてしまうのは危険ですので、汗のニオイが「甘酸っぱい」感じる場合は、医療機関への早めの受診が重要になります。

 

肝機能低下の可能性

汗のニオイが「アンモニア臭」と感じる場合は、肝機能が低下している可能性が考えられます。

肝機能が低下していると、肝臓にある「オルニチン回路」というものが上手く機能しなくなってしまいます。

オルニチン回路は、タンパク質を分解する過程で生じる有害物質「アンモニア」と反応して、尿素へと変換してくれます。

オルニチン回路が上手く機能しなくなると、アンモニアの分解能力が低下してしまい、分解されなかった一部のアンモニアが原因となって汗から「アンモニア臭」がしてしまいます。

 

胃腸機能低下の可能性

もし、汗の臭いが硫黄のような「腐敗臭」と感じる場合、胃腸の機能が低下している可能性が考えられます。

胃腸機能が低下すると、当然ながら摂取した食べ物を体内へと消化吸収する能力が低下してしまいます。

特に、ステーキなどの肉類が上手く消化しきれなくなると腸内で腐敗して、硫黄のような「腐敗臭」を発します。

そして、腸から吸収されて血液中へと流れ込み、やがて汗から「硫黄のような腐敗臭」がするようになります。

 

生活習慣病の可能性

個人差がありますが、汗の臭いがロウソクや古い本の臭いのような「加齢臭」と感じる場合は、生活習慣病の可能性が考えられます。

通常、中高年になると「パルミトレイン酸」という脂肪酸や「過酸化脂質」が皮脂腺の中で増加します。

パルミトレイン酸と過酸化脂質が結びつくと加齢臭の原因物質である「ノネナール」となります。

生活習慣病と加齢臭の関係とは?

生活習慣病の始まりは、活性酸素によって余分な悪玉コレステロールが酸化して、血管に蓄積していくことです。

悪玉コレステロールの量が血管の中で増えると、皮脂腺でも脂肪の量が多くなるため、「加齢臭はひどくなる」という特徴があります。

そして、汗腺からも加齢臭のような汗が出てくるようになります。

加齢臭が強くなったと感じたり、汗から「加齢臭」が感じるようになったら「生活習慣病のサイン」と考えましょう。

 

汗のニオイに隠れている病気の可能性、対策はある?

汗のニオイに隠された病気の可能性についてお話してきました。

それぞれの汗のニオイへの対策をみていきましょう。

糖尿病対策による甘酸っぱいニオイの汗には「有酸素運動」が大切

糖尿病の甘酸っぱい汗のニオイの原因はケトン体ですが、ケトン体が身体にとって悪者になるという訳ではありません。

糖尿病になるとインスリン機能が低下して、細胞に上手くブドウ糖が取り込まれません。

高血糖状態が続いてしまうと様々な「合併症のリスク」が高くなります。

そのためには血中のブドウ糖を減らす必要があり、ウォーキングなどの「有酸素運動」がオススメです。

有酸素運動を行うことによって筋肉への血流が増え、ブドウ糖が細胞の中に取り込まれるようになります。

そのため、血糖値の改善に役立ちます。

肝機能の低下によるアンモニア臭の汗には「オルニチン」の補給がオススメ

引用:gasu.biz/entry26/

オルニチンを多く含む食べ物として、一般的には「シジミ」がよく知られています。

シジミ以外にも、ヒラメやキハダマグロ、エノキダケなどにもオルニチンは多く含まれます。

肝機能の低下によって分解しきれなかったアンモニアは、疲労を感じやすくなる原因にもなります。

汗のアンモニア臭や疲労感の改善には、肝臓のオルニチン回路をより正常な状態へと近づけることが重要です。

体内にオルニチンを補給しておくと、肝臓に負担がかかったとしても体内のアンモニアを処理する事に役立ちますので、オルニチンを多く含む食材を積極的に摂るようにしましょう。

腐敗臭を感じる汗には動物性食品の摂りすぎに注意が必要

近頃では、ダイエットのために糖質を制限する人は少なくありません。

コンビニでは、パンやおにぎりなどの糖質の代わりに「サラダチキン」を選ぶ人も多くなっています。

動物性のタンパク質は筋肉をつくるために重要な働きがありますが、動物性食品を過剰に摂取すると腸内で悪玉菌を増やしたり、腸内環境が悪化して汗に腐敗臭を感じやすくなる原因となります。

栄養バランスの良い食事を心がけ、汗の腐敗臭を予防・対策しましょう。

加齢臭の汗には抗酸化食品がオススメ

引用:更年期障害.osaka.jp/

加齢臭の原因のひとつ、過酸化脂質は活性酸素によって増加をすることが分かっています。

そして、悪玉コレステロールは活性酸素によって酸化されて生活習慣病は引き起こされますので、活性酸素を減らすことが加齢臭と生活習慣病の対策には非常に重要になります。

ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化ビタミンを摂取することによって、体内で発生した活性酸素を軽減させることが出来ます。

ビタミンCを多く含む食べ物としてはレモンが一般的ですが、パセリやブロッコリー、芽キャベツなどにもビタミンCが多く含まれます。

アスパラガス、アボカド、カボチャなどにビタミンEが多く含まれますので、日々意識的に摂るようにしましょう。

 

終わりに

汗の臭いと病気の可能性について検証してきましたが、くれぐれも自己判断をせずに「あてはまる」を思われた方は是非速やかに専門医の受診をオススメします。

もし、受診の結果「病気ではない」という事が分かれば安心しますし、万が一病気の可能性があったとしても早めの治療が健康への近道となりますよ。