汗疱になると、皮膚がめくれて見栄えが悪い状態になります。なかなか完治が難しい皮膚疾患で、再発を繰り返します。一般的に汗疱の治療はステロイド剤や尿素入り軟膏などの外用薬が処方されますが、飲み薬で汗疱を改善する方法もあります。飲み薬で汗疱に効果がある市販薬を紹介します。

汗疱の症状

引用元:http://blog.livedoor.jp/norikireru/archives/6971501.html

汗疱になると、かゆみがつらい人が多くツイートでもその書き込みがいくつも見られました。かゆみには個人差があり、強く感じる人とそれほど感じない人といます。

汗疱とは、汗の出る出口が詰まって、皮膚内にたまった汗が水泡となって外に出てきたものです。水泡の大きさは1~2mmほどで、水泡が2,3個くっついて大きな水泡になる場合もあります。残念ながら、はっきりとした原因がわかっていません。

有力な説では、汗疱はアレル汗の中にアレルゲンとなる物質が含まれているためにおきるアレルギー性皮膚炎の一種ではないかと言われています。特に、金属アレルギーを起こす人に多いので、汗疱になる人はパッチテストをうけて金属アレルギーがないか調べてみるといいでしょう。

汗疱ができると、次のような段階をとります。

第1段階

小さな水泡ができ、強いかゆ身が出る場合がある

第2段階

水泡の皮が破れて中の汗が出てくる。この汗にアレルゲンが含まれていれば、悪化して周囲の皮膚に炎症が起きます。すると、周りの皮膚もかゆくなります。

第3段階

そのまま乾燥して皮がめくれて2週間ほどで治る。しかし、悪化するとジュクジュクして湿疹になる(異汗性湿疹)

第4段階

そのうちに乾いて、皮が落ちて綺麗な皮膚が再生されます。一般に汗疱が出きてから2週間ほどで剥がれ落ちます。

再発を繰り返し、治っても新たに汗疱ができるので、ずっと汗疱に悩ませられている人もいます。初期段階ではかゆみが強いので、かきむしって悪化するケースもあります。

汗疱に効く市販薬の飲み薬ってあるの?

汗疱そのものに効く薬はありませんが、対症療法としてかゆみを抑える抗ヒスタミン剤やアレルギーのある場合の抗アレルギー薬、皮膚をサポートするビオチン療法、汗を止める抗コリン薬などがあります。

ビオチンとは

ビオチンとはビタミンB群の一種で、ビタミンHやビタミンB7とも言われています。ビオチンは、脂肪酸や糖質、アミノ酸の代謝や合成などに深くかかわるビタミンB群で、不足すると吐き気や皮膚炎、脱毛症、舌炎、うつ症状、知覚異常、けいれんなどの症状が起きます。

ビオチンは皮膚をサポートする大切な働きをしているのです。髪や爪の健康もサポートする作用もあります。ビオチンは、アレルギー症状のかゆみなどの原因となるヒスチジンやヒスタミンが作られることを抑制し、尿として排出します。

ビオチンは、多くの食品に含まれているだけでなく、腸内フローラと呼ばれる腸内細菌によって作られるため、欠乏することはあまりありません。しかし、腸内細菌の悪玉菌が増えると、ビオチン欠乏症になります。

欠乏すると汗疱などの皮膚疾患が治りにくいので、ビオチンを飲むことで皮膚疾患を改善されることが報告されています。1日のビオチンの目安量は、18歳以上で50μg/日です。食事では、レバーや卵黄に多く含まれています。ナッツ類や豆類にも多いです。

但し、卵白を生で食べると、アジピンが含まれているので腸内で生成されたビオチンと一緒になり、腸からの吸収が困難になり栄養になりません。生卵を食べるときは白身が完全に固まったものをたべましょう。たばこのニコチンもビオチンを不足させます。抗生物質を飲んでいる人も腸内細菌のバランスが崩れるのでビオチンが生産されにくくなります。

ビオチンとミヤリサンとビタミンC

引用元:http://gonyo.hatenablog.com/entry/2016/04/21/080000

ビオチン療法で用いられる薬は次の3種類を一緒に飲む処方がなされます。

  • ビオチン9mg
  • 整腸剤(市販ではミヤリサン。ビオフェルミンはビオチンの効果をなくしてしまう)120mg
  • ビタミンC(ハイシー顆粒など)1g

ビオチンを効果的に飲むためには、一定の量を毎日3回飲むことが必要です。ビオチンはすぐに排出されるので、一度に1日分を飲んでもすぐに出てしまいます。整腸剤と一緒に飲むのは、整腸剤で腸内環境を整え、一部の乳酸菌などの悪玉菌に壊されたり、食べられたりしないようにするためです。

市販品を取る場合は海外製の混ぜ物がないビオチンの方が、ビオチンがたくさん含まれて安価な価格でお求めになれます。

抗コリン薬

引用元:https://www.amazon.co.jp/エスエス製薬-【第2類医薬品】ブスコパンA錠-20錠-×5-※セルフメディケーション税制対象商品/dp/B00QLF9UTU

汗がでる仕組みは、視床下部から延髄、せき髄を通って交感神経節に伝えられ、交感神経からアセチルコリンが分泌され、エクリン汗腺に発汗刺激がつたわり、汗が出るのです。抗コリン薬は、アセチルコリンの作用を抑えることで汗の分泌を抑える薬です。

ただ、抗コリン薬は全身の汗を止める作用があるので、便秘や吐き気、頭痛や、めまい、眼圧上昇などの副作用があり、日本では医薬品のブスコバンやプロスパスが市販薬として購入できます。プロスパスは多汗症の人の治療薬として開発されたものです。

ブスコバンは、鎮痛鎮痙剤として胃痛、腹痛などさしこむような痛みに効果があります。プロスパスやブスコバンは市販薬として購入できますが、抗コリン薬は副作用がある薬なので、医師の処方の下に服用することをおすすめします。市販薬として購入する場合は薬剤師とご相談ください。

サプリメントにも汗をとめる効果がある

汗を止めるサプリメントには、汗を抑制して、汗くささを改善するものがいくつかあるので紹介します。

アセカラット

引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07BJM94ZH/

アセカラットは、体に余った熱を放出するカリウム、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンよの40倍含有のプエラリアミリフィカ、リラックス効果があるGABA、汗のにおいを改善する柿渋エキスが含まれていて、だらだら流れる汗を抑制します。

アセッパー

引用元:https://www.amazon.co.jp/B00QWSS67S/

アセッパーは、飲むことによって、体を内側からサポートし、どっとでてくる汗に4つのポリフェノールの力で、こまめに汗を分散し、さらさらした質の良い汗に改善します。緑茶エキスや柿渋エキス、クロレラエキス、マッシュルームエキスなどの臭いに特化した4つのエキスが配合されているので、汗の嫌な臭いからも解放されます。

女性ホルモンのバランスを整える大豆イソフラボンなどの働きでホルモンバランスを整える効果もあり、更年期障害が原因のダラダラ汗も調節します。

シトラスムース

引用元:https://item.rakuten.co.jp/japanbeautylabo/10000000/

体に熱がこもってうまく出せない場合に体温調節をするために大量に汗が出します。また、緊張やストレスがあると、交感神経が過敏になり、一部分から汗がだらだらと出てきます。ホルモンバランスの乱れても交感神経が過敏になり、大量の汗をかくことがあります。

トウモロコシのひげ部分に含有するコーンシルクは体の循環を良くするので、水分バランスを保って熱を放出し、カリウムが汗として大量に出る余分の水分を排出します。玄米やチョコレートに含まれているリラックス成分のGABAが緊張やストレスから解放するので、汗の悩みから解放されます。

最後に

汗疱になると、初期段階はかゆみが出て、夜眠れない人もいるほどです。汗疱は悪化しなければ、自然に治りますが、悪化すると汗疱状湿疹となってしまいます。汗疱を改善する市販薬の飲み薬は、ビオチンとミヤリサン、ビタミンCの3種類を一緒に飲む方法や抗コリン薬を飲む方法などがあります。ビオチン療法は、皮膚をサポートして改善する方法で、効果があったという声も多く聞かれています。抗コリン薬の服用は、副作用をよく考えて医師からの処方で服用することをおすすめします。他にもサプリメントで汗を改善する方法もあります。