他の人は汗をかいていないのに、新陳代謝が良いのか自分だけ汗がダラダラと頭から流れてくる・・・。
こんな経験をしたことはありませんか?
実は、脇や手のひらなど特定の部分のみ大量に汗をかく症状のことを「多汗症」と一般的に呼ばれていますが、「頭部多汗症」という頭だけに沢山汗をかいてしまって悩んでいる方が多くいます。
今回は、そんな頭部多汗症について解説していきます。
汗をかかない方法も紹介していきますよ。
目次
頭部多汗症とは?
頭部多汗症とは、頭に大量に汗をかいてしまう状態のことをいいます。
汗が頭から滴り落ちて化粧崩れの原因になるなど、悩んでいる女性も多くみられます。
また、男性の場合も同様に、ダラダラと頭から汗が滝のように流れてしまうことで、見た目の清潔感を気にする方も多くみられます。
頭に汗を沢山かくことで頭部が蒸れてしまったり、髪が濡れたりと脱毛症にもつながる可能性もあります。
汗をかく3つの要因とは?
発汗には、「温熱性発汗」「精神性発汗」「味覚性発汗」の3つの種類があります。
温熱性発汗
温熱性発汗とは、運動をしたときや暑いときに体温調節のためにかく汗です。
上昇した体温を下げる働きがあります。
手のひらと足の裏以外の全身から持続的に発汗し、暑い日に激しい運動を行うと、1時間に約2リットルの汗をかくをいわれています。
温熱性発汗でかく汗は、エクリン汗腺から排出されます。
精神性発汗
「手に汗をかく」「冷や汗をかく」という言葉がありますが、精神性発汗は驚いたときや人前で緊張したとき、ストレスなど精神的な要因でかく汗のことです。
精神性発汗の特徴は、手のひらや足の裏、ワキの下など限られた部位から短時間に発汗することです。
汗が出る部位は手のひら、足のうら、ワキの下など局所的に短時間で発汗するのが特徴。
精神性発汗でかく汗は、エクリン汗腺、アポクリン汗腺の両方から排出されます。
味覚性発汗
味覚性発汗は、スパイスの効いた辛い食べ物や酸っぱい食べものを食べた時にかく汗です。
味覚の刺激によって反射的に汗をかくので、食べ終わると汗もひく特徴があります。
味覚生発汗でかく汗は、エクリン汗腺から排出されます。
エクリン汗腺は全身に分布
温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗とそれぞれの特徴を解説しましたが、どの種類の発汗でもエクリン汗腺から汗が排出されます。
エクリン汗腺は全身に分布しているため、様々なことが引き金となって汗をかいてしまうんです。
頭部多汗症の原因とは?
頭部多汗症に限らず多汗症は、自律神経が乱れて交感神経の動きが過敏になってしまうことが原因だという考え方が有力視されていますが、多汗症の原因解明はまだされていないのが現状です。
エアコンが普及し、汗をかきにくい環境になって汗腺の機能低下が原因だとの考え方もあります。
汗腺が使われなくなり機能が低下すると、足から頭に向かって徐々に汗腺が閉じられ、最後に元々汗腺の多い頭や顔が残って異常に汗をかいてしまうという考えもあります。
また、頭は人目につきやすいため、頭からたくさん汗をかくと余計に人目が気になってしまって精神性発汗を起こりやすくなってしまうという考えもあります。
自律神経は発汗をコントロールしていますが、自律神経に乱れが生じると交感神経が優位になりすぎ、
緊張や不安などから精神性発汗が増えてしまいます。
頭部多汗症は、何科を受診したら良いの?
「頭だけに沢山汗をかく」「どう対処したら良いのか分からない」
こんな風に悩んでいる場合は、まず皮膚科を受診してみましょう。
汗をかく要因として「精神性発汗」という可能性もありますので、皮膚科を受診し精神的な要因が強いと判断された場合は、心療内科や精神科、メンタルクリニックの受診を助言されることもあります。
心療内科や精神科への受診にためらいを感じる方も少なくないとは思いますが、近年はメンタルヘルスへの関心も高まっており、敷居も低くなってきています。
「心療内科・精神科=何か深刻なもの」と捉えるのではなく、心の中にある重荷をひとつずつ降ろしていくという感覚や自分自身をより深く知る機会として前向きに考えると良いですよ。
大量に汗をかいてしまう原因として、内科の疾患が隠れている場合もあります。
内科を受診し、身体の中で異常がないかを調べていくことも非常に大切ですので、覚えていてくださいね。
頭部多汗症に効果のある漢方はある?
漢方薬の中には、汗に効果があるものがあります。
薬局で購入することが出来て気軽に試すことが出来ますが、漢方薬には即効性がないものの飲み続けていくことで体質改善をし、汗を抑えることが出来ると考えられています。
漢方薬は飲み続けることが大切です。
また、ご自身の体質にあった漢方薬を選ぶことが重要ですので、薬局で購入するよりも病院で処方してもらうこと経済的でオススメです。
茵陳蒿湯(いんちんこうとう)
茵陳蒿湯は、頭部の多汗に有効といわれている漢方薬です。
身体はそれほど汗をかかないのに、頭や額、顔にすごく汗をかいてしまう方に適しています。
便秘気味でおなかや胸に圧迫感があり、食欲がない場合に利用します。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
柴胡桂枝乾姜湯は、自律神経の乱れが要因でたくさん汗をかいてしまう場合にオススメです。
血の巡りが悪くてむくみやすい体質で、汗をかきやすいのに口が渇いてしまう方に処方されます。
女神散(にょしんざん)
女神散は、めまいやのぼせを軽減する漢方薬にです。
気分の浮き沈みを和らげたり、イライラの解消の効果があります。
手足が冷えるのに頭や額、顔に汗をかいてしまう方に向いていますよ。
自分で出来る頭に汗をかかない方法は?
汗を止めるのに効果的なツボもあり、ツボ押しはいつでも簡単で手軽に行えるのでオススメです。
ツボ押しの効果はもちろんですが、「ツボ押し=汗が止まる」という心理的な安心を得ることで交感神経を鎮める効果があるともいえます。
それでは、汗を止めるのに効果があるツボを紹介していきます。
全て手のひらにあるツボなので、気になった時にすぐツボ押しができますよ。
親指の腹でやや強みにゆっくりと何度か押してみましょう。
合谷(ごうこく)
引用:kenka2.com/articles/2000
合谷は、身体の水分量を調節して、熱を調節してくれるツボです。
合谷は万能のツボとも呼ばれています。
頭痛・歯痛・鼻炎・喉痛・腹痛・便秘・生理痛など、合谷のツボ押しには多くの効果があるんですよ。
合谷は、親指と人さし指の合流する場所から、少し人さし指に近いくぼみにあります。
後谿/後渓(こうけい)
後谿は、身体の熱を鎮めてくれるツボです。
肩こり・腰痛など様々な痛みを抑える効果もあるので、覚えておいてくださいね。
後谿は、手のひらの感情線(手相)の付け根、手を握ったときにプクッと膨らむところに位置しています。
陰郄(いんげき)
陰郄は、身体の余分な熱を取ってくれる働きがあるツボです。
鼻血・息切れ・狭心症・のぼせ・動悸などにも効果がありますよ。
陰郄は、手のひらを上に向けて、小指の付け根からヒジの方向に約1.5センチのところにあるツボです。
引用:kira-to.com/odeko-ase/
頭に汗をかいた後に気を付けることは?
汗をかいた後、皮脂や汗が酸化すると臭いの原因となります。
頭に汗をかきやすい方は、帰宅後なるべく早く髪を洗うようにしましょう。
髪を洗うときは、シャンプーの前にぬるま湯で3分ほど時間かけて汗やほこりを洗い流しましょう。
これを予洗いといいます。
予洗いをすることでシャンプーの量が少なくても泡立つので経済的ですし、清潔に保つ事が出来ますよ。
シャンプを洗浄力の強いものに変更したり、シャンプーの量や回数を増やすのは逆効果になってしまいます。
必要な皮脂も取り去って、あせも等のトラブルを悪化させてしまう可能性もあります。
ただ、シャンプーの回数を増やしたり、洗浄力が強いものに変えたり、シャンプー液を使う量を増やすのは逆効果です。
頭皮に必要な皮脂なども取り去り、あせもなどを悪化させる可能性もあるからです。
終わりに
今回は、頭の沢山かいてしまう「頭部多汗症」と対処法について解説していきました。
汗の悩みの解消には少し時間が必要ですが、ご自身と向き合いながら悩みを解消していきましょう。