足の裏などに粟粒ほどの大きさの水疱がたくさん生じたのち、次第に小さな水疱が合わさり、大きな水疱になると、破れてジュクジュクし、痒みを伴う皮膚の湿疹、汗疱。自然治癒する場合もありますが、ほとんどの場合、繰り返し再発します。

汗疱の治療法の一つに「ビオチン療法」というものがあります。

そこで、今回は、汗疱に効く「ビオチン療法」の効果についてご紹介します。

 

ビオチン療法とは

汗疱状湿疹の対策法といて、最近注目されている治療法が、「ビオチン」です。

 

ビオチンとは、ビタミンB群の一種である「ビタミンB7」のことです。

ビオチンは、皮膚のビタミンと言われ、皮膚の成形に大きく関わっている重要なビタミンなのです。

また、トラブルに負けないお肌を生み出す効果もあります。

実は、ビオチンは体内で製造されています。

「腸内フローラル」という言葉を聞いたことがありませんか?

ビオチンは、この腸内フローラルや腸内細菌叢と呼ばれる部位で作られています。

つまりビオチンは、人の腸内に存在するのです。

体内で製造されているため、わざわざ食事やサプリメントなので摂取する必要はありません。

 

しかし、腸内環境が悪くなると、話は別です。

腸内には、乳酸菌の一部である悪玉菌も存在していますが、この悪玉菌は、このビオチンをエサにしています。

悪玉菌が腸内で増え続けてビオチンが減ってしまうと、ビオチン欠乏症になり、肌に影響が出て湿疹が出やすくなると言われています。

 

悪玉菌が優勢になってしまった腸内に、ビオチンをより多く摂取し、体内の取り入れることによって、減ってしまったビオチンを増やし、腸内を整え、体質を変えていくという対策法が、ビオチン療法です。

ビオチンの効果的な摂り方

では、ビオチン欠乏症になったら、積極的にビオチンを取ればいいということになると思いますよね。

実は、そうではありません。

 

ビオチンは、普段の食品からでも摂取できますし、サプリメントでも気軽に摂取することができますが、ただビオチンを摂取することだけにとらわれてしまうと、結局それらは全て悪玉菌にとって、良いエサになってしまうだけです。

そのため、これを避けるために、整腸剤も同時に服用して、腸内環境を整える必要があります。

 

かといって、どんな整腸剤でも良いというわけではありません。

市販薬の整腸剤では、せっかく摂取したビオチンを食べてしまう成分が含まれている場合があるのでおすすめはできません。

一般的に、ビオチンを病院で調合されると、ビオチン、ミヤサリン、ビタミンCなどが含まれます。ミヤサリンというものが、整腸剤になります。

ビオチンが含まれる食品

ビオチンは水溶性のため、体内にとどまることはありません。

そのため、常に摂取し続けなければいけません。

ビオチンを多く含む食材は、レバー、豆、卵黄、酵母、まいおわしなどの魚類などがあげられます。

ここで注意しなければいけないのが、卵です。卵黄にはビオチンが多く含まれていますが、生の卵白は、アビジンという物質が含まれており、このアビジンは、腸内で生成されたビオチンと強く結合して、水に溶けない物質に変化します。

その結果、腸管で栄養として吸収されることなく、便として体外に排出されてしまうのです。

 

ビオチン摂取を強化したいのであれば、卵黄のみ食べるか、面倒であれば、卵白は加熱してから食べるようにしましょう。

 

ビオチン療法は効果的な汗疱の治し方というわけではない

ビオチンは、薬ではありません。汗疱の治し方の1つでもありません。

腸内の悪玉菌の増殖で減少してしまったビオチンをサプリメントで補うという、一種の体質改善による治療法です。

そのため、ステロイド剤のように、外から何かアプローチして、症状を抑えるようなものではありません。

 

このビオチン療法を始めてから現れる効果については個人差があるようですが、多くの人が、1ヶ月から2ヶ月ほどで、少しずつ体質改善されているように感じるとのことです。

一気に治るというものではなく、肌の調子が少しずつ改善されたり、再発する間隔が長くなったりと、何かしら効果は現れてくるようです。

 

汗疱の治し方については、さまざまな研究がなされていますが、〇〇をしたから汗疱が治ったということはありません。

それは汗疱が発症するメカニズムが明確になっていないからです。

あくまでもビオチン療法は、体質改善によって、肌トラブル起こさないようにするための治療法なのです。

ビオチンの摂取量

ビオチンは、水溶性のため、体内にとどめておくことができないため、常に飲み続けなければいけません。

 

ビオチン療法をするにあたり、必要な摂取量は、ビオチンは15mg、ミヤサリンは120mg、ビタミンC は1050mgとされています。

これらを、朝・昼・晩と3回に分けて、服用します。

しかし、国内で市販されているサプリメントのビオチンの含有量は1錠で0.2mg(200mcg)と、非常に少ないです。

日本で市販されているビオチンについては、1錠に含まれるビオチンの含有量が決められているからなのです。

そのため、国内のサプリメントで、必要な摂取量を取るためには、大量に服用しなければいけないことになりますが、これでは、かなり胃に負担がかかってしまいます。

 

そこで、おすすめしたいのが、海外製のサプリメントです。

ほとんどの、海外製のサプリメントには1錠で5mg(5,000mcg)含まれています。インターネットで購入すると良いでしょう。

 

ビオチンを摂取する際、腸内の悪玉菌のエサだけになってしまわないためにも、整腸剤で腸内環境を整えてあげる必要があります。

また、腸内のビオチンの吸収率を高めるためにも、ビタミンCを取る必要があります。

個人で、ビオチン療法を行う場合は、ビオチン、整腸剤のミヤサリンと、ビタミンCの3点を摂取するようにしましょう。

ミヤサリンとビタミンCにおいては、含有量に問題はないので、気軽に日本で購入することが出来ます。

 

ビオチンが減る原因を断つ

ある生活環境によって、ビオチンが減ってしまうことがあります。

それは、飲酒とたばこです。

アルコールやたばこのニコチンは、せっかく体内に取り込んだビオチンを分解してしまうのです。

 

ビオチン療法を行うのであれば、「禁酒・禁煙」が一番効果を発揮しやすいと言えるでしょう。

ビオチン療法に限らず、体質改善を行うのであれば、この禁酒と禁煙は避けることができないでしょう。

 

ビオチン療法をしている皮膚科を探そう

ビオチン療法は、汗疱で悩んでいる人にとっては、とても魅力的な対策ではありますが、全ての皮膚科がこの療法で肌ケアをしているわけではありません。

ビオチン療法を行ってみたい人は、ビオチン療法をおこなっている皮膚科に行くことをおすすめします。

 

一般的に、皮膚科でビオチンを処方される場合は、一日必要な摂取量のビオチン、ミヤサリン、ビタミンCがしっかりと配合されているため、他のサプリメントなどを購入する必要はありません。

皮膚科で処方されるものでも、個人で購入するものでも、同じような効果が期待できることでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

ビオチン療法をしたからと言って、汗疱が治るということではなく、体質改善することにより、汗疱ができにくくなるというほうが正しいでしょう。

辛い症状を伴い、また原因が明確になっていない汗疱ですが、肌トラブルであることは間違いありません。

そのため、常に汗疱に悩まされている人にとっては、ビオチン療法は、とても魅力的な治療方法ではないでしょうか。