赤ちゃんはよく汗をかくので汗疹になりやすいのですが、蕁麻疹との判断が難しいというお母さんも多いでのはないでしょうか。
ここでは、汗疹と蕁麻疹の違いや治療法などを解説していきます。
目次
汗疹と蕁麻疹の違いとは?
汗疹は、5月~9月の暑い時期に出来ることが多く、汗をかきやすい部位に赤く、また白くプツプツとなることが特徴です。
蕁麻疹の場合は、汗疹に比べて発疹の出てくる範囲が広く、盛り上がることが特徴です。
汗疹は一度出来てしまうとどんなに短くても治るまでは数日かかりますが、蕁麻疹の場合、皮膚に症状が現れてから数時間で消えてしまうことが多いということも汗疹と蕁麻疹の違いの特徴です。
また、汗疹と蕁麻疹では、まったく形も異なります。
赤ちゃんの汗疹と蕁麻疹の見分け方とは
汗疹の場合、発疹の一つ一つが点状になってでてきます。
1~3ミリほどの水ぶくれや赤いかゆみを伴う発疹があらわれます。
蕁麻疹の場合は、発疹の大きさも様々で一粒状のものあれば、地図のような形のものまで様々です。
また、汗疹の場合は汗のかきやすい場所に出来るので、身体のどこに発疹が出来ているかも判断の参考になりますね。
汗疹と蕁麻疹の原因とは
汗疹は、汗を出す汗腺の出口が詰まることによって炎症が起きることが原因です。
赤ちゃんは、同じ皮膚面積で大人の2~3倍の汗をかきます。
そのため、汗疹を汗腺が詰まらないよう、汗を拭いて清潔にしておくことが汗疹の予防には大切です。
こまめに通気性の良い肌着に着替えたり、シャワーを浴びるなどして、汗が皮膚の上に長い間残らないように皮膚を清潔に保ちましょう。
汗疹と違って、蕁麻疹の原因は単純なものではありません。
たとえば、何かを食べた後に全身に蕁麻疹が出てきてしまった場合は、食物アレルギーの可能性が考えられます。
その際に、皮膚の蕁麻疹に加えて、吐いたり呼吸が苦しそうになったら救急車の要請が必要になる場合も十分にあり得ます。
身体の一部分だけでなく、全身に蕁麻疹が出てしまった場合は、体内に入ったものにアレルギーを起こしていることが考えられます。
全身の皮膚に蕁麻疹が出ていて、呼吸も苦しそうな場合は、気管や体内にも蕁麻疹が出ていると考えられます。
その際は、とにかく早い処置が必要になります。
部分的に蕁麻疹が出てしまった場合は、なにかに接触したことが原因になっていることが多いです。
例えば、下着のゴムに反応して蕁麻疹が出てしまう場合もあります。
その場合は、下着のゴムに沿って線状に蕁麻疹が出ているはずです。
蕁麻疹は、疲れや精神的なストレスが原因となることもありますので、原因の特定が難しい場合も多くあります。
そのため、日頃から赤ちゃんの様子を良く観察しておくことが重要です。
汗疹と蕁麻疹の治療法とは
汗疹の場合、患部を清潔にしておくことが治療法です。
蕁麻疹の場合は原因もそれぞれですし、汗疹とは治療法も異なります。
ここでは、汗疹と蕁麻疹の治療法について、それぞれ解説していきます。
汗疹の治療法について
皮膚の表面に出来た軽度の汗疹であれば、清潔にして乾燥させるように気をつければ数日で良くなります。
汗疹が赤みを帯びて、かゆみもあるようであれば、市販の汗疹用の塗り薬を使ってみるといいでしょう。
赤ちゃんでも使える優しい塗り薬も市販されています。
お風呂上がりの水気をとって清潔な肌に塗り薬をつけてあげましょう。
もしも汗疹が広がったり、分泌液が出てグチュグチュするようであれば、速やかに皮膚科か小児科を受診しましょう。
汗疹から分泌液が出るようになってしまうと、汗疹の傷口から菌が入り、とびひになってしまう可能性があります。
とびひになると、あっという間に広がります。
完治するまでに時間がかかりますし、赤ちゃんも痒みが強まって辛い思いしてしまいます。
汗疹やとびひが全身に広がってしまうと、塗り薬以外にも飲み薬を処方される場合もあります。
汗疹治療で一番大切なことは清潔にすることですが、時にはステロイドや飲み薬を処方してもらって症状が軽いうちに治すことです。
また、汗をかくと症状が悪化してしまいますので、上手にエアコンを使って室温をコントロールしてあげましょう。
蕁麻疹の治療法について
蕁麻疹の治療では、2つのことが大切です。
①蕁麻疹の原因や悪化因子をできる限り探し、取り除く(避ける)
②薬により治療する
蕁麻疹には、様々な種類があります。が、蕁麻疹のほとんどはヒスタミンが神経および血管に働くことで症状が現れます。
そのため、ヒスタミンの作用を抑えるために抗ヒスタミン薬、または抗ヒスタミン作用にある抗アレルギー薬が処方されます。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が内服薬、または注射薬として用いられた場合、蕁麻疹の種類に関わらず効果が期待出来るという特徴があります。
外用薬の場合は、多少の痒みを軽減する程度なので、あまり大きな効果は期待出来ません。
漢方薬等の薬が症状に応じて補助的に用いられることもありますが、生活上の注意点として、蕁麻疹の増悪因子となりやすいストレスや疲労をなるべく溜めないようにすることが大切です。
その他にも魚介類や肉類はできるだけ新鮮なものをとるようにする、防腐剤や色素を含む食品を控えめにするといったことも効果的です。
始めての蕁麻疹、赤ちゃんを病院に連れていく目安は?
まず、蕁麻疹の症状がそれほどひどくない場合や、数時間以内に蕁麻疹がキレイに消えた場合は受診せずに様子をみても良いでしょう。
しかし、気になる場合や心配な場合は、かかりつけの病院に相談をするのが安心でしょう。
最近は、病院を受診すべきか迷った際に電話で相談できる窓口をひらいている自治体も多くあります。
自治体によっては24時間相談できる場合もありますので、お住まいに自治体に確認をしておくとよいでしょう。
蕁麻疹がなかなか消えない、症状の範囲が広い、症状がかなりひどい場合には、診療時間内に受診をしましょう。
数時間で蕁麻疹が治ったと思ったら再度症状が出てきた場合も、診療時間内の受診がオススメです。
もし、皮膚に蕁麻疹が出ている状況に加え、呼吸が苦しそうだったり、意識がおかしいと感じる場合は、診療時間外であっても速やかに受診をしましょう。
場合によっては、救急車を呼ぶ必要もあります。
また、蕁麻疹で受診をする場合、受診時には蕁麻疹が消えていることもあります。
蕁麻疹が出ているのを見つけた場合は、スマートフォンで患部を撮影し、受診時に医師に見せましょう。
その際は、どれくらいの時間で蕁麻疹が消えたのかも診察の際に重要です。
スマートフォンのメモ帳機能に併せて記録しておくと安心です。
蕁麻疹が出来た時の赤ちゃんのホームケアは?
受診後に医師からの指示がある場合は、医師の指示に従って赤ちゃんをケアしてあげましょう。
ホームケア① かゆみを和らげる
蕁麻疹の痒みが強いと、かきむしってしまいます。
冷やすと痒みがおさまるので、濡らしたタオルを患部に当てると良いです。
お風呂の温度はぬるめに設定し、短時間で済ませます。
痒みがひどいときは、できればシャワーのみにするのがベストです。
また、痒くてかいてしまった時に傷にならないよう、赤ちゃんの爪は短く切って清潔を保ちます。
ホームケア② 口当たりの良いものを与える
口の中にも蕁麻疹が出来てしまう場合もあります。
口の中に蕁麻疹が出来てしまうと、飲食するのを嫌がることがあります。
少しずつこまめに水分を補給して、脱水症状を予防することが大切です。
食事はうどんやゼリーなどの当たりが良いものを与えてください。
終わりに
今回は、汗疹と蕁麻疹の見分け方、原因や治療法の違い、赤ちゃんが蕁麻疹になってしまった時の対処法について解説してきました。
汗疹も蕁麻疹も見つけてしまうと心配になってしまいますが、落ち着いて状況を見極め、心配な場合はかかりつけの病院に相談をして正しい対処を行ってあげましょうね。