顔汗がひどい状態を改善しようと、病院にいく場合、どの科を受診したらいいか迷いますね。
顔だから皮膚科?それとも内科?
顔汗がひどい原因によって、受診する科目が違うので、その原因別の受診科目をまとめているので参考になさってください。

顔汗のひどい原因となるものは何科?

更年期障害や冷えのぼせ

顔汗のひどい原因には、更年期障害、冷えのぼせなど、女性にはこの多汗症が多く見られます。
更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが減少するので、ホルモンバランスが崩れると自律神経の働きも乱れてきます。
すると、汗のコントロールができずに多量に汗を出すようになります。カーっと熱くなって顔汗がひどい状態になります。

女性は冷え性の人が多いですが、手足の末端や下半身は冷えているのに、顔だけが熱くて、顔汗がひどい状態になります。
特に、クーラーのあたった部屋で小さいころから過ごしていると、エクリン腺が冬眠状態になり、比較的筋肉が動く顔の汗腺が活発に働き顔汗の原因になります。

精神的なことが原因

人前に出ると、緊張して顔汗がひどい状態になるという人はいますね。
顔汗は自律神経の働きと関係があるので、ストレスや緊張すると、自律神経が乱れてきます。
顔汗がひどいと人前に出られなくなり、閉じこもってしまうケースもあるので、早めに受診して治療したいですね。
その場合は、心療内科や精神科での自律訓練法などを行っている病院があります。

病気が原因

甲状腺機能亢進症や糖尿病、白血病などの病気の原因の場合もあります。
このような病気を抱えている方は、それぞれの病気の治療をする科目への受診が必要です。
甲状腺機能亢進症は、女性に多く、パセドウ病ともいわれています。

発汗やふるえなどがあれば内分泌科を受診します。
糖尿病の人は増えてきたので糖尿病外来がありますが、分からないときは内科で検査を受けるといいでしょう。

顔汗がひどいときの治療と受診科目

多汗症を専門に扱っている病院では多汗症専門外来や発汗異常外来があります。
一般に皮膚科や美容外科で治療を行っています。

外用療法とは?

塩化アルミニウムによる治療

塩化アルミニウムの薬を顔の皮膚にぬる治療です。
塩化アルミニウムは、市販の制汗剤にも使われているものがありますが、塗ることで汗腺に炎症を起こすので、汗腺が閉塞されて汗が出にくくなる効果があります。
塩化アルミニウムは一時的な効果なので、長期間の使用する場合は肌トラブルがおきることもあり、医師の指示をきちっと守って塗るようになさってください。

塩化アルミニウムの外用薬を用いての治療は塗るだけなので、家でも手軽にできる治療です。
重症の多汗症の場合は、塩化アルミニウム水溶液を用いた密封療法を行います。

受診は何科?

塩化アルミニウムを用いた治療は、皮膚科で行われています。

ボツリヌス毒素製剤を用いた治療とは?

ボツリヌス毒素製剤を用いた治療

ボツリヌス毒素製剤の注射は美容外科で行われるボトックス注射と同じです。
汗はアセチルコリンの働きで出てきますが、ボツリヌス毒素製剤を局所に注射すると、汗腺に指令をする伝達物質のアセチルコリンの働きを抑制する効果が高いので、汗がでにくくなります。

この治療法は、特にわきの下の汗腺に有効で、効果は3,4カ月ですが、人によって1年ほど効果が持続している人もいます。
この注射はボツリヌス菌を注射するのではなく、菌が作り出す天然のタンパク質を注射するので感染する恐れはありません。
保険診療は、原発性腋窩多汗症には認められていますが、顔面多汗症には認められていないので高額になることがあります。

受診は何科?

ボツリヌス毒素製剤を用いた治療は、皮膚科や美容皮膚科、美容整形外科で行われています。

交感神経遮断術

交感神経節を内視鏡手術で切除する手術で、その部分からは汗が出なくなるので、効果がほぼ確実にあります。
ただ、遮断した交感神経の部分からは汗が出ませんが、その反面、他の部分から汗が大量に出るという代償性発汗が高い確率でおきます。
他に味覚性発汗や手や肌が乾燥する症状などが起こる人もいます。

手術は日帰りで1時間程度の手術です。
手術は、全身麻酔で内視鏡を用いて行われます。
この手術には、わきの多汗症の手術のみ保険適用ですが、顔面多汗症の手術では保険適用外になります。

受診は何科?

手術を行う場合は、ペインクリニック科や呼吸器科、胸部外科で行われます。

内服療法とは?

一般に、内服療法は抗コリン薬を用いた療法が効果的でよく用いられます。
顔面多汗症の場合は、外用治療法以外の治療が難しいので、顔汗がひどい場合は抗コリン薬の内服がもちいられることがあります。
抗コリン薬は、汗を出す指令をする伝達物質アセチルコリンをを遮断するので、全身の汗が出にくくなります。

そのため、外用治療が有効でない場合に使用されることがありますが、最近では使用が少なくなってきたようです。
服用によって、便秘や口の渇き、目のかすみなどが起きるケースもあります。
内服療法は薬代は保険適用ですが、薬によっては保険が適用されないものがあります。

受診は何科?

内服薬の受診は主に皮膚科で行われています。
多汗症専門外来や発汗異常外来があるところも増えてきているので、専門外来がある場合は、そこへの受診がおすすめです。

精神療法

精神療法は外用療法や内服療法と併用して行うとより効果が認められています。
うつ病や不安障害の人は不安から多汗になっている人があり、精神療法と併用することで改善が期待できます。

受診は何科?

受診は心療内科や精神科です。

顔面多汗症に対する治療の流れ

日本皮膚科学会の原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版によると、顔面多汗症の治療は、外用薬である塩化アルミニウムまたは内服療法を行います。
それで改善が見られない場合は、ボツリヌス毒素製剤治療を行います。
もっと重症の顔面多汗症の人や本人の強い希望があるときに限り交感神経遮断術を行います。

制汗剤を試みてみる

制汗剤というとわきや背中につけるものが多いですが、顔面につけられる制汗剤も市販で販売されています。
医薬部外品の薬用サラフェスプラスは従来の肌に膜を張る制汗剤とは異なり、フェノールスルホン酸亜鉛が、毛穴から出る汗にくっついて流れないようにする制汗剤で、毛穴をふさがないので敏感肌の人にもおすすめです。

汗が流れないので、汗のにおいや皮脂によるテカリも防ぐことができます。
顔やわきなど汗がダラダラ出て目立つ部分にだけ塗ると、その部分からの汗が抑えられて助かります。

保湿成分やビタミンC誘導体などの美容成分が含まれ、肌の健康と制汗の機能を果たし、無添加処方で肌に優しい制汗剤です。
外出のときや人前に出るとき、会議、デートのときなど、塗っておくと顔汗のひどい症状が緩和され安心です。

最後に

顔汗がひどい症状が続くときは、多汗症の専門外来がある病院を受診して検査を受けましょう。
近くに専門外来がない場合は皮膚科を受診して症状を相談しましょう。
多汗症には、緊張や不安からも汗がひどい症状になります。
更年期障害や自律神経失調症の場合や甲状腺機能亢進症や糖尿病からきている多汗もありますので、病院を受診して症状に合った治療をすることをおすすめします。
そこまでひどくない顔汗症状の場合は、制汗剤の薬用サラフェスプラスを使ってみることで悩みが解消される場合もあります。