顔汗が酷いのは色々な原因が考えられますが、病気が原因のこともあります。
多汗症を引き起こす病気として、甲状腺機能亢進症や自律神経失調症、更年期障害、糖尿病、急性リウマチ熱、結核などの病気が考えられます。

汗がでる原因が病気の場合は、医療機関で早めに病気の治療を行いましょう。

汗がなぜこんなに出るのだろう

汗が出る仕組みを知ると顔汗がどうして出てくるのかが分かります。
病気が原因の顔汗もあるので、あまりダラダラ出るようなら医師の診察を受けた方がいいでしょう。

汗が出る仕組み

汗は、暑いと体温調節をするために、全身にあるエクリン腺から水分を出して体の温度を下げます。
無汗症の人は、エクリン腺がないので汗をかくことがありません。
体温調節ができないため、暑いと体温が上がったままになり熱中症を引き起こします。

すべてのエクリン腺が汗を分泌しているわけではなく、半分程度のエクリン腺が活動しているのです。
このように汗は身体になくてはならないものですが、多汗症のように出すぎる汗は悩みのもとです.
特に、顔汗が酷いのは、化粧が崩れ、汗じみができるので、ダラダラ出る汗を抑えたいですね。

顔汗が酷いのはなぜ

エクリン腺は、体全身にありますが、顔ばかりが汗が出る場合は運藤不足が考えられます。
背中などから出る汗はさらさらしていますが、顔から出る汗はべたべたしています。
それは、余り運動をしない人は、顔の筋肉は比較的動くので、その分顔から汗が出ます。

一般に汗は、ミネラルと水分と塩分を汗として分泌します。
そして、一度出たミネラルを再度吸収して血液に戻すのでサラサラですが、運動不足で汗腺機能が低下すると、ミネラルの吸収がうまくいかず、汗にミネラルが混じった状態なので、べたべたしているのです。

他の部位が汗をかいていないのに、筋肉運動がある顔からすごい汗が出てくるというのはそういうわけなのです。
しかし、病気で顔汗が酷いこともあるので、どんな病気が顔汗の原因になるかも知っておきましょう。

多汗症は病気が原因のこともある

多汗症の人は、病気が原因で汗が酷いこともあります。
ダラダラ出る汗だけでなく、汗臭がかなりするようなときは病気の可能性があるので、汗の症状をよく観察してください。

甲状腺機能亢進症

甲状腺はのどぼとけの下にある器官で、蝶が羽根を広げたような形です。
この病気は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気です。
患者のうち4人に3人が女性で、20~30歳の人によく見られる病気で、汗をかなりかきます。

眼球が飛び出ているものは、パセドウ病と呼ばれていて甲状腺が腫れてくるので首の触診でわかります。
動悸や息切れ、全身がだるく疲労感があります。
よく食べているのに体重が急に減ってきます。
精神的にもイライラしやすくなり、興奮することがあります。

手足の震えがみられ、そのままにしておくと不整脈や心臓の機能が低下することがあります。
排便回数も増えるので、多汗だけでなく、そのような症状があるときは早めに医療機関を受診して治療すると、治りが早い病気です。

自律神経失調症

自律神経は交換神経と副交感神経がうまくバランスをとることで機能しています。
交感神経は、朝が活発になり、緊張や汗をコントロールします。
副交感神経はリラックスする夜に優位になります。
このバランスが崩れると自律神経失調症になり、汗の量が多量になります。

自律神経失調症になると、息苦しさや食欲不振、ドライアイ、不妊症、めまいや耳鳴り、顎関節症、微熱、精神不安定でイライラする等の症状も表れます。

更年期障害

更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが急に減少してくるので、ホルモンバランスが崩れて、自律神経の働きも乱れます。
すると、かーっと熱くなって体がほてったり、汗が急にたくさん出て来たり、のぼせたりするホットフラッシュの症状がよく見られます。

他にも頭痛や不安やうつ、不眠や動悸、息切れ、めまいなどの症状もでてきます。
この場合は、食事で女性ホルモンに似た大豆イソフラボンを食べたり、漢方薬で更年期症状を緩和したり、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンなどを投与します。

糖尿病

糖尿病は、すい臓で作られるインスリンがうまく作り出せなくなり、糖の代謝機能がうまく働かず、血糖値が高くなり、尿の中に糖がおりてくる病気です。
糖尿病になると、血糖値が上がると、末梢神経にも影響を与えて自律神経の自律神経に異常が見られて発汗量が増えてしまいます。

それ以外の症状では、血行障害やのどの異常な渇き、尿が多くなる、食事量が普通でも体重が減少する、ケガが治りにくい、立ちくらみがある、目がかすむ等の症状があります。
糖尿病になると、食事療法や薬物療法が欠かせません。重くなるとインスリンを注射することになります。

急性リウマチ熱

急性リウマチ熱は幼児期から思春期のころにかかる病気で、子どもの多汗症は急性リウマチ熱を疑います。細菌に感染することで発症して、多汗症になる以外に、関節が腫れたり、高熱がでたりという症状があります。

白血病

白血病は骨髄の中にある血液細胞である赤血球や血小板、白血球ががんになる病気で、アンモニア臭がある寝汗を大量にかきます。
白血病になると、多汗だけでなく、あざが出来やすく血が止まりにくくなります。
吐き気や嘔吐があり、骨や関節の痛みやリンパ節の痛みが見られます。体重が急に減ってきて発熱もします。

主に抗がん剤治療を行いますが、正常な白血球も傷つけるので、吐き気や嘔吐などの副作用が表れます。
白血球細胞がすべて死滅したら、その後、造血幹細胞の移植手術を行い、正常な白血球が作れるように治療します。

結核

最近では予防接種が普及して少なくなりましたが、今でも結核になることがあります。
結核菌が体に入ってかかる病気で、ほとんどの人は肺結核で、結核になると、強いアンモニア臭がする寝汗を大量に布団にかきます。

咳や痰が出ると、かなり進んでいる状態で食欲不振になり、体重が減ります。
体がだるく息切れがします。抗結核薬を用いた治療になりますが、感染の恐れがある場合は入院治療になります。

末端肥大症

人間の成長は下垂体から分泌される成長ホルモンが重要な働きをします。
一般には、一定の年齢になると、成長は止まりますが、その後も成長ホルモンが過剰に分泌し、手足の末端が過剰に大きくなる病気です。
皮膚は厚くなり、鼻も大きくなって手や指、舌までもが大きくなる病気です。

全身から毛が生えてきて多汗になったり、皮膚が色素沈着し、関節痛や高血圧、糖尿病、無月経なども見られます。この病気の治療は、腺腫を摘出し腫瘍も取り除きます。

褐色細胞腫

褐色細胞腫は、副腎髄質や脊髄のあたりの交感神経細胞にできる腫瘍のことです。
その腫瘍からアドレナリンやノンアドレナリン、ドパミンというホルモンが過剰に分泌されるために、多汗症や高血圧、頭痛や糖尿病などが引き起こされます。
治療は手術で褐色細胞腫を取り除きます。

最後に

顔汗が酷いのは、一般的にあまり活動をしないと、体の汗腺機能が衰えて体から汗が出ずに比較的筋肉の動きがある顔からダラダラと汗が出ます。
しかし、多汗になる原因として、更年期機能亢進症や更年期障害、自律神経失調症などの様々な病気が原因の場合があるので、あまり汗がひどく出る場合は、一度医療機関を受診して、汗が出る原因を調べましょう。
顔汗が酷いことが病気が原因だと分かった時は、医師の指示の下で病気の治療を行います。
また、多汗を抑える抗コリン薬の投与や塩化アルミニウムを塗る治療、ボトックス注射などの治療があります。