手のひらに出来た水泡が出来てすごくかゆい・・・。
足が蒸れて指の間に水泡が出来てかゆい・・・。
薬局で水虫の薬を塗っているのに全然良くならない・・・。
こんな経験をしたことはありませんか?
その場合、汗をかきすぎたことが原因の「汗疱」かもしれません。
それでは、そんな強い痒みを伴う汗疱の原因や痒みの対処法について解説していきましょう。
目次
痒くて辛い「汗疱」の原因は?
汗疱の具体的な原因は、まだ解明されていない現状です。
現在は、汗が出にくくなって皮膚の下に溜まることが原因だという考え方が有力です。
手や足に汗をかきやすい人が汗疱になりやすい傾向がありますが、金属アレルギーの人も汗疱になりやすいといわれています。
古くなった差し歯が体内に溶け出して発症する場合もあり、口内の差し歯が古くなっている人には金属アレルギーのパッチテストが行われることもありますが、非常に稀なケースです。
「チョコレートやカレーなどの刺激物を控えるように」と医師から助言される場合もあります。
これは、食事の内容が汗疱の原因になるということではなく、刺激物が発汗を促してしまうためです。
発汗には、「温熱性発汗」「精神性発汗」「味覚性発汗」の3種類があります。
そのため、3つの発汗の要因を避けることで汗疱の原因である汗をかきにくくなり、汗疱の予防に繋がっていきます。
温熱性発汗
炎天下を歩いたり、激しい運動したときに汗をかきますよね?
上がった体温を下げるためにかく汗のことを「温熱性発汗」といいます。
例えば、体重70kgの人が炎天下を歩いて100㎖の汗をかくと、体温が1℃上がるのを防ぐことができると言われています。
暑い環境で汗をかいているときは、首の後ろや脇の下などのリンパ節を冷やすようにすると汗をかくのを抑えることができます。
精神性発汗
緊張した時、不安や恐怖を感じた時に手のひらが汗ばんだという経験をしたことはありませんか?
精神的な緊張や動揺、情動の変動などによって生じる汗のことを「精神性発汗」といいます。
手のひらや足の裏に汗をかくことがおおいため、手のひらや足の汗疱に悩んでいる場合、精神的なことが要因で汗をかきやすく、汗疱が出来やすくなってしまっている可能性も考えられます。
精神的なことが原因で汗をかきやすくなっている場合は、皮膚科での汗疱の治療に並行して、精神科や心療内科への受診を勧められる場合もあります。
味覚性発汗
辛いものを食べた時に、たくさん汗をかいた経験はありませんか?
辛いものを味わった途端に汗が出て、食べ終わるとすぐに汗は出なくなることを「味覚性発汗」といいます。
汗疱が痒い時に絶対すべきこと
とにかく痒くて辛い汗疱。
でも、汗疱が痒くても「絶対に掻いてはダメ」なんです。
痒い時に掻いてはいけないといわれるのは拷問に近いものがありますが、掻かない代わりに痒みの対処法として行っていることが、実は余計に痒みをひどくなる原因となってしまう場合があります。
ここでは、汗疱が痒い時にすべきことを解説していきます。
汗疱が痒い時にすべきこと①「皮膚科を受診する」
汗疱の症状は、水虫と非常によく似ており、素人では判断できません。
水虫の原因は「白癬菌」というカビの一種ですが、汗疱の原因は「汗」です。
水虫は感染しますが、汗疱はあくまでも自分の汗が原因となって発症するので、汗腺しません。
そのため、水泡が出来て痒いから水虫だと思って薬局で水虫用の薬を塗っても、汗疱の場合は症状がかえって悪化する場合があります。
皮膚科医でも目視で水虫と汗疱を判断せず、顕微鏡を使って判断をします。
そのため、汗疱が痒くて辛い時、症状を改善する一番の近道は、「速やかに皮膚科を受診すること」です。
汗疱が痒くて辛いときにすべきこと②「患部を冷やさない」
血行がよくなると、痒みは強くなります。
そのため、汗疱が痒いときに患部を氷水や冷水につけたり、冷やすと一時的に痒みがおさまります。
しかし、冷やしている間は一時的に痒みが和らぎますが、患部を氷水から上げると一気に血行が良くなるので、結果的に痒みを倍増させてしまうんです。
患部に熱いをかけると痒みが一時的に和らぐという人もいます。
それは、痒みが痛みに変わるために一時的に痒みが和らぐのですが、当然のことながら患部を温めると血行が良くなって余計に痒みがひどくなります。
また、お酒を飲んだあとも血行が良くなるので、痒みを助長してしまいます。
覚えておいてくださいね。
汗疱が痒くて辛いときにすべきこと③「乾燥させない(保湿)」
痒みのひどい場所を乾燥させると汗を抑えられますが、乾燥すると肌が敏感になるため、痒みが起こりやすくなってしまいます。
また、汗疱で敏感になっている肌を乾燥させると、より刺激に敏感となって痒みがひどくなってしまうんです。
例えば、お湯で食器洗いをしている人は、お湯と洗剤で手の油分が失われて乾燥状態になります。
食器を洗うときは手袋をしたり、痒みのひどい部分を保湿することが大切です。
汗疱で肌が敏感になっていると、ゴムが肌に合わないという場合もあります。
綿の手袋の上からゴム手袋をつけて食器洗いをすることがオススメです。
保湿をする時は、市販のハンドクリームよりも刺激の弱いワセリンで肌を保湿し、保護すると良いですよ。
ワセリンは比較的安価に薬局で購入することが出来ますし、皮膚科で処方してもらうことも可能です。
皮膚科で処方してもらう場合は保険が効きますし、受診する際には医師に相談してみてくださいね。
汗疱は予防できる?
汗疱の原因は「汗」なので、汗をかかない(汗を抑える)ことが汗疱予防には一番有効です。
しかし、汗疱に悩む人の中には多汗症で汗疱になってしまう人も多く、「汗疱予防=汗をかかない」というのはあまり現実的でありませんよね?
ここからは、汗疱を予防するために、日常生活の中で気を付けることについて解説していきます。
汗疱予防①「お酒をたくさん飲まない」
お酒を飲むと血行が良くなり、痒みが増長されてしまうということを説明しましたが、お酒を飲んで血流が良くなると汗もかきやくなってしまいます。
お酒には利尿作用もあるので、体内の水分が失われて肌が乾燥することも痒みの原因になります。
その他にも、お酒を飲むと「ビオチン」というビタミンがアルコールを分解するために消費されます。
皮膚を作るための重要な栄養素である「ビオチン」がアルコールの分解に利用されてしまって体内から少なくなってしまうことを「ビオチン欠乏症」といい、汗疱に似た手湿疹「掌蹠膿疱症」の原因といわれています。
汗疱予防のために断酒をするというのは、あまり現実的ではないかもしれません。
これまで飲んでいたお酒の量を少なくするところから始めてみましょう。
どれくらいの量であれば大丈夫なのかというのは、個人差があります。
汗疱予防②「界面活性剤が入っていないシャンプーを使う」
界面活性剤とは、「油分と水分を混ぜる薬品」のことをいいます。
一般的に市販されている多くのシャンプーには、頭皮の皮脂汚れを油分が取り除いて水分で洗い流すために界面活性剤が含まれています。
汗疱に悩んで方の中には、もともと敏感肌だという人も多くいます。
そのため、初めからオーガニックやノンシリコンの界面活性剤使っていないシャンプーを選ぶのもオススメです。
これは、シャンプーだけに関わらず、ボディーソープや食器洗い洗剤などにも共通していえることです。
終わりに
汗を沢山かくと水泡が出来るととても痒くなって辛い汗疱ですが、汗疱の原因や痒い時の対処法、汗疱の予防について解説してきました。
汗疱は一度なると再発しやすいともいわれています。
今回ご紹介したことを日常生活の中に取り入れて、汗疱になりにくくしましょう!