汗をたくさんかくと、汗疹が出来やすくなります。
汗疹が痒いからとついつい掻いてしまうと、化膿してしまったり、重症化してしまったりする場合もあります。
ここでは、汗疹が出来る原因や予防のほかに、汗疹に効果のある市販薬について解説していきます。
目次
汗疹はなぜできるのか
汗疹は、汗の出る汗腺の出口が汗や垢などでふさがって炎症を起こしたり、汗自体が刺激になってできてしまいます。
汗疹の予防には、汗をかいた後にそのままにしておくのが一番良くありません。
赤ちゃんは子供の場合、身体は小さくても大人と同じ数の汗腺がある上に、新陳代謝が活発なので汗をかきます。
大人と同じ数だけ汗腺はありますが、まだ十分に開いていない汗腺もあるなど汗腺が詰まりやすいため、子供や赤ちゃんは大人と比べて汗疹が出来やすいということがいえます。
汗疹の出来やすい部分とは
赤ちゃんの場合、お肉がぷっくりしている太ももやおなか、あごの下など皮膚がくっつく部分やおむつまわりに汗疹が出来やすくなります。
実は、高温環境で長時間過ごしていたり、大人でも汗疹になることは十分にあります。
大人の場合は、背中、脇の下、肘の内側、首回り、股からお尻あたりの汗の溜まりやすい場所に汗疹が出来やすくなります。
男性はベルトのある腰回り、女性は下着の締め付ける部分にも汗疹が出来やすくなります。
汗疹の予防法とは
汗疹は再発を繰り返すことがあります。
そのため、汗をこまめに拭き取るように心がけましょう。
汗腺を詰まらせないようにこまめでハンカチやタオルで汗を拭くことが重要ですが、可能であれば汗をかいた後に蒸しタオルで拭いてあげると汗腺がひらいて汚れが落ちやすくなり、非常に効果的です。
汗をかいたらシャワーや入浴も効果的です。
身体を洗った石鹸が肌に残ると、症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。
身体を洗った後は、よく洗い流しましょう。
入浴後に身体が火照ったまま洋服を着ると、また汗をかいてしまいます。
身体を良く乾かしてから着替えるようにしましょう。
洋服は吸湿性のある薄くて風通しの良いものを選んでください。
ポリエステル素材の服はサラッとしますが、汗をかくとはりついてしまいます。
コットンなどの自然素材がオススメです。
赤ちゃんや子供に汗疹を発症した場合は、部屋の温度が高すぎないか、厚着をさせすぎていないかを注意しましょう。
エアコンを上手につかって適度に冷房のきいた部屋で過ごしたり、軽く扇風機をかけるなど、生活の工夫も必要です。
小さい子供や赤ちゃんの場合は、痒みが我慢できずにかいてしまいます。
あせもをかきむしってしまうと、炎症が悪化して治りにくくなってしまいます。
そのため、子供や赤ちゃんに汗疹が見られた時は、爪を短く切っておきましょう。
汗疹がひどくなると?
汗疹ができると痒くてついかいてしまいますが、かきこわすと傷になって悪化し、「とびひ」や「あせものより(エクリン汗孔炎)」になってしまう可能性があります。
とびひ
汗疹をかきむしってしまったり、そのまま汗をかき続けたりすると、連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が皮膚の表面で繁殖してしまう場合があります。
そうすると、かゆみをともなう水ぶくれが出来て、それが破れるとほかの場所や他の人にも、まるで「飛び火」のように簡単にうつってしまいます。
子どもに多い感染症ですが、最近では大人にもとびひがみられることがあります。
とびひの症状がみられたら、感染力が強いので速やかに皮膚科を受診しましょう。
とびひは、抗生物質の入った軟膏や飲み薬で治療します。
あせものより(エクリン汗孔炎)
汗疹をかきむしったことにより、黄色ブドウ球菌が汗の出口から皮膚の深いところまで侵入して小豆大ほどの硬いしこりができ、少しずつ大きくなって赤くなって盛りあがっていきます。
こうなってしまうと簡単には治らず、溜まった膿の切開や抗菌薬などの治療が必要になって大変ですので、速やかに皮膚科を受診しましょう。
あせものより(エクリン汗孔炎)は、抗生物質の飲み薬で治療します。
特に、2歳以下の乳幼児に多く見られる症状ですが、大人も発症することがあります。
汗疹と間違えやすい「汗荒れ」
汗疹と間違えやすい症状に「汗荒れ」というものがあります。
汗荒れは、かぶれの一種です。
汗をかいた後そのまま放置してしまうと、汗の水分が蒸発して皮膚の上に残ったミネラルやアンモニア成分が刺激となって、かゆみや赤みをともなった炎症を引き起こします。
汗荒れは、かきむしって重症化しやすいのが特徴です。
汗荒れになりやすい部分は、皮膚が薄く乾燥しているところや洋服との摩擦が起こりやすいところです。
特に、首まわりやお腹まわりは特になりやすいところだといえます。
汗荒れは、こまめに汗をふくことで予防できます。
汗疹同様、汗をかいたら早めにふきとるようにしましょう。
汗疹の治療法
汗疹には、「水晶様汗疹」「紅色汗疹」「深在性汗疹」の3種類があります。
深在性汗疹は亜熱帯地方に多く、日本ではあまり見られない症状です。
小さな水ぶくれが出来る「水晶様汗疹」の場合は、特別な治療を行わなくても自然に治ります。
紅色汗疹の場合、痒みの程度は様々ですが、紅色汗疹にはステロイド外用薬を使用します。
細菌感染が加わって膿になってしまっている場合は、抗生剤(フロモックス)を内服することもあります。
ステロイド剤について
汗疹の痒みが強い場合は、ステロイド外用剤に使用が効果的ですが、ステロイド剤は市販もされています。
市販されているステロイド外用剤は、効果の強さによって「weak(弱い)」「mediam(普通)」「strong(強い)」の3種類に分けられています。
市販のステロイド剤を使用する場合は、薬局で薬剤師に相談にして自分に合ったものを選び、使用上の注意をしっかりと守って使いましょう。
ステロイド軟膏を数日続けても治らない場合は、速やかに皮膚科を受診するようにしてください。
汗疹を対処してくれる薬を紹介
汗疹の痒みをおさえたい時は、痒みを抑える作用のある抗ヒスタミン成分配合の薬を選びましょう。
また、酸化亜鉛は患部を収れんさせ、乾燥させる助けとなって改善がより早くなります。
それでは、実際に汗疹を対処してくれる薬を紹介していきましょう。
アセモア(小林製薬)
引用:lohaco.jp/product/8883489/
この薬の特徴は、パウダースプレー式なので手が汚れず、手が届きにくい背中などに一気に使用出来ます。
パウダータイプなので、使い心地もサラサラしていて夏に向いています。
顔には直接噴射出来ません。
局所麻酔成分「リドカイン」も配合しており、痒みに対して比較的速効性があります。
スーッとする成分も配合していないので、子どもから大人まで体への使いやすさでは一番といえます。
配合成分の量は少なめになっているため、強くかゆみを止めたい場合は他の製品の方が向いているかもしれません。
タクトホワイトL(佐藤製薬)
引用:www.hirakiyasai.com/entry/2018/03/13/193745
局所麻酔成分「リドカイン」を配合しているため、速効性があり、かゆみをすばやく感じにくくさせます。
また、血管収縮作用によってかゆみを緩和する「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」も配合されているので、痒みに対する成分が他の市販薬よりも充実しています。
アセモスチール(大昭製薬)
引用:item.rakuten.co.jp/ha-doru/10000105/
この薬の特徴は、「酸化亜鉛」の量が非常に多いことと、添加物に「バレイショデンプン」が配合されていることです。
酸化亜鉛とバイレイショデンプンを配合することで、汗疹を早く治すための乾燥作用が強くなります。
ラシュリアEPクリーム(ミナカラ)
引用:minahada.com/products/1/
この薬の特徴は、皮膚表面の患部で効果を発揮したのちに体内に吸収されると低活性となるアンテドラッグタイプのステロイドのほかに、局所麻酔成分「リドカイン」が配合されていることです。
リドカインは作用が強めで速効性があるので、かゆみをすばやく感じにくくさせます。
塗った後は白く残らず、上から服を着る場合にも貼り着きなどの心配が少ないのでオススメです。
ドルマイコーチ軟膏(ゼリア新薬)
引用:wowma.jp/item/243173701
この薬は、弱めのステロイド成分と抗菌力を持つ2種類の抗生物質が配合されています。
抗生物質が2種類配合されているため、高い抗菌力を発揮して化膿をおさえてくれますよ。
赤みは強くなく、顔・首など皮膚の薄い部分での症状がに向いている薬です。
終わりに
今回は、汗疹の原因と予防、汗疹を対処してくれる薬を紹介してきました。
汗疹は基本的に自然と治るものですが、症状に合わせて上手に薬を使うと早く良くなります。
汗をかきやすい季節も快適に過ごしていきましょう。