「あれ?若い時には気がつかなかったけど、私って最近汗臭い・・・?」

40代を迎え、そんな悩みを持っている女性もいるのではないでしょうか。

「加齢臭=オジサン」というイメージも多いのですが、実は、女性も40代になると臭いが気になってくる場合があります。

今回は、40代女性の気になる汗の臭いについて解説していきます!

女性の人生サイクルと女性ホルモンの関係について

まず、女性の一生と女性ホルモンの関係から解説していきます。

引用:rubina.jp/

女性は、7歳頃から女性ホルモンの分泌が始まります。

生まれてから7歳頃までを「小児期」と呼び、男女差がなく成長していく時期です。

7歳頃からを「思春期」と呼び、女性ホルモンの分泌が7歳頃から始まり、10歳~12頃に初潮を迎えます。

その後、卵巣機能がもっとも活発な20台~30代の時期を「性成熟期」と呼び、45歳で「更年期」になります。

一般的に、更年期障害のことを更年期と呼んでいますが、症状が出ていても出ていなくても女性は45歳になると人生のサイクルとして「更年期」に突入します。

その後、卵巣機能が完全に停止する55歳頃から残りの期間を「老年期」と呼び、更年期障害にによる様々な不調も徐々に安定してきます。

40代女性が気になる汗の臭いは女性ホルモンが関係?

女性ホルモンは、皮脂腺や汗を抑制する働きがあります。

皮脂分泌や発汗を調整し、汗の酸化を抑える働きをしています。

反対に、男性ホルモンは、皮脂分泌や発汗を促進する作用のあるホルモンです。

例えば、あまり表現は良くないかもしれませんが、「男くさい=汗臭い(脂臭い)」という

イメージがあるのはそのためです。

また同様に、女性が40代を過ぎて女性の身体が更年期に突入してくると、女性ホルモンが低下をして男性ホルモンが優位になってきます。

40代頃から男性ホルモンが優位になるということは汗をかきやすくなり、皮脂の分泌も盛んになり、加齢臭の原因をなってしまいます。

そのため、自分の「汗の臭い」に悩む40代女性が増えてくるのです。

更年期と汗の関係とは

引用:更年期障害のコト.com/

更年期になって女性ホルモンが減少し始めると自律神経が乱れ、ホットフラッシュと呼ばれる「更年期多汗症」という症状が現れる場合が多くあります。

ホットフラッシュの特徴は、下半身には汗をかかず、上半身に集中して汗をかきます。

また、更年期になると精神面に症状が現れる場合もあります。

精神的に不安定になったり、イライラしてストレスが溜まりやすくなってワキ汗が増え、これを「精神性発汗」と呼びます。

ホットフラッシュも精神性発汗も一度にどっと沢山の汗をかきます。

一度に沢山かく汗は臭いは強い?

汗の出口は汗腺と呼ばれ、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類があります。

汗腺が血管から血液をくみ取って汗の原料にしていますが、血液中にはアンモニアや乳酸などの臭いの元も含まれています。

通常は臭いの元を血液中に戻す「再吸収」という、ろ過する作業を行っているのですが、沢山の汗を一気にかいてしまうと再吸収機能が追い付かずに臭いの強い汗が出てしまいます。

特に、ホットフラッシュによる汗の臭いは疲労臭とも呼ばれ、アンモニアが臭いを強くしています。

汗の臭いの元「アンモニア」対策とは

更年期の汗の臭いの元「アンモニア」が出来る原因は2つあります。

①腸の中で食べ物が分解されて出来たアンモニアが吸収され、汗に混ざって臭いを強くする

②アミノ酸が分解されてアンモニアとなり、汗の臭いを強くする

「疲労臭」とは、アミノ酸がアンモニアに分解されて強くなった汗の臭いのことです。

疲労を蓄積しないことが大切ですが、肝機能を高めることも臭い対策には有効です。

女性も加齢臭に悩む??

加齢臭に悩むのは、男性だけではありません。

40代女性が汗の酸化を抑える女性ホルモンの分泌が少なくなってくると、女性も加齢臭に悩むようになります。

加齢臭の原因「ノネナール」とは?

加齢臭の原因となる「ノネナール」という成分は、皮脂腺のなかにあるパルミトオレイン酸という脂肪酸と過酸化脂質が結びつくことで作り出されるのですが、皮膚の常在菌が皮脂を分解することでもノネナールは発生してしまいます。

臭いの原因「ノネナール」を食べ物で減らすことは可能?

ノネナールの原料であるパルミトレイン酸は、脂質の多い食品を多く取ると増加します。

例えば、豚肉やベーコンなどの肉類、フライドポテト、卵、チーズなどはパルミトレイン酸を増やしてしまいます。

ドレッシングにも油が多く使われていますので、気を付けてくださいね。

しかし、脂質を多く含む食品を全く摂らないというのは現実的でありませんし、脂質を全く摂らないというのは健康にも良くありません。

日本人は元々野菜中心の食生活でしたが、近年は食の欧米化が進み、普段から脂質の多い食生活となってしまっています。

また、ノネナールはパルミトオレイン酸と過酸化脂質が結びつくことで発生するため、脂質の多い食品を控えるだけでなく、バナナや人参、かぼちゃ、蕎麦などの抗酸化作用のある食品を意識的に摂ることも有効です。

気になる汗の臭い(加齢臭)を抑えるためには、普段の食生活を一度見直してみることが大切ですよ。

女性の社会進出もノネナールを増やす原因?

ノネナールが発生する原因のひとつである「過酸化脂質」の増加には活性酸素が大きく関係しています。

活性酸素は、ストレスを受けた時にもっとも多く増加してしまいます。

「専業主婦にはストレスがない」とは決していいませんが、近年は女性の社会進出が進み、女性の管理職も増えてきました。

そのため、家事や育児、社会での責任ある立場と女性のストレスも増加傾向にあります。

また、近年は社会全体が禁煙(嫌煙)の動きとなっていますが、女性の社会進出とともに喫煙する女性も増え、以前よりも加齢臭に悩む女性が増えたと言われています。

40代女性を悩ます汗の臭い…「ミドル脂臭」の可能性も?!

これまで、女性ホルモンと汗の関係や、汗の臭いの原因についてみてきました。

しかし、ここまで解説してきた汗の臭いだけでなく、「ミドル脂臭」というものも存在しています。

ミドル脂臭とは

ミドル脂臭の原因はやはり、女性ホルモンの減少です。

そのため、ミドル脂臭は女性特有の体臭の悩みとも言えます。

女性ホルモンは30代後半から40代半ば頃に減少をしますが、更年期と呼ばれる年代頃からミドル脂臭が発生するようになります。

ミドル脂臭は対策出来る!!

既に解説した通り、通常、汗腺には再吸収をして汗の臭いの元をろ過する働きがあります。

しかし、忙しいとついついシャワーで済ませてしまったり、運動不足などが原因となって汗腺の機能が下がってしまうと、少しの汗での臭いが発生しやすくなってしまいます。

そのため、シャワーで済ませずに湯船に15分程度浸かって汗をかくようにしたり、日頃からこまめに身体を動かして汗をかくように心がけることも大切です。

1人で悩まず、婦人科を受診しましょう。

女性ホルモンが減少することにより現れる臭いの悩みですが、ひとりで悩んでいる女性も少なくありません。

年齢とともに減少してしまう女性ホルモンですが、「婦人科を受診してホルモン剤を処方してもらったら、ツライ悩みから解放された」という女性も沢山います。

また、症状の有無に関わらず、女性の人生は45歳から更年期に突入します。

40代の女性がホルモン剤を処方されることは、決して恥ずかしいことではありません。

終わりに

40代女性を悩ます汗の臭いと女性ホルモンの関係、対策法について解説してきました。

正しい臭い対策を行い、いつまでも輝く女性でありたいですね。