水ぶくれから足の裏の皮がむけて、なんともみっともない足になってしまいました。なんせ、かゆくてたまらない。もぞもぞしていると仕事や勉強に気持ちがのらない。足の裏にできた汗疱は、なおりにくく厄介です。一般にどんな治療が行われているのか覗いてみました。
目次
汗疱になるメカニズム
汗疱はぷくっと膨らんだ1~2mmほどの小さな水ぶくれができることから始まります。最初はかゆみがある程度です。そして、わっかのように皮がめくれてきます。そして、湿疹のようになります。これは汗疱状湿疹と呼ばれています。
ちょうどじんましんのようで、そのままにしておくと、赤くただれて痛みがでることもあります。すると、日常生活にも支障が出てきます。なぜ、そうなるか、はっきりした原因はまだわかっていませんが、汗の中に含まれているアレルゲンによって汗疱の周りの皮膚がアレルギー皮膚炎を起こすからではないかと言われいます。
汗疱は汗をかきやすい人や多汗症の人に発症しやすい皮膚疾患です。そのため、汗腺が細い人や汗口が詰まっていて汗が出にくくなっている人だけでなく、子供、赤ちゃんも汗疱になります。汗疱は、真夏に少なく、春と秋に多く発症するのは、発汗量がそれほど多くないので、汗口が狭くなり、汗が外に出ず、皮膚内部にたまるために、汗疱になるのです。
足の裏にできた汗疱の治療ってあるの?
最初の水泡の状態から悪化して、汗疱状湿疹になったら、ステロイドが一番効果的です。ステロイドで早く治して、同時に生活を改善します。
ステロイドを塗る
ステロイドは副腎皮質ホルモンを人工的に作り出したもので、体の中に生成されるものです。ステロイドは炎症を抑制してただれていた部分がきれいになります。ただ、実際に汗疱が治ったわけではなく、表面の炎症が収まったのです。
ステロイドは長期間使用すると、皮膚が薄くなるなどの副作用があります。ただ、炎症をすぐに沈め、早期に汗疱を治すことができます。ただ、根本治療ではないので、すぐに再発を繰り返します。
尿素入り軟膏を塗る
尿素入り軟膏は、皮膚を保湿する効果があります。汗疱は乾燥しすぎてもいけないので、軟膏で乾燥を抑えます。なぜなら、ステロイドを塗ると、炎症がおさまるので乾燥して皮膚がめくれて来るからです。もし、保湿しないでそのままでほっておくと皮膚の再生がうまくいかずに汗疱が繰り返しできます。
尿素入り軟膏で皮膚を乾燥から守り保湿をシッカリして肌を保護してあげましょう。
生活習慣を改善することで足の裏の汗疱を改善
毎日の生活習慣を改善することで、足の裏の汗疱の予防になります。足の裏は毎日コップ1杯の汗をかきます。汗を取り除くことや運動して汗腺がつまらないようにするなどで、足の裏の汗疱の予防をしましょう。
汗などの水分を取り除く
足を洗って清潔にした後、入浴後は水分をとり、自然乾燥させてから尿素入りクリームを塗って、保湿をしましょう。靴下内が汗ばんで高温多湿になっていると、汗疱はできやすいので、吸湿性のあり、通気性の良い靴下や靴を選ぶことが大切です。
店舗や通販で吸湿速乾の靴下や靴を購入できるので、足の裏が蒸れないようにしておきましょう。汗臭い靴下を一日中履いていると、雑菌が繁殖して汗疱が悪化する原因になります。できるなら、靴下はまめに交換したいですね。
靴はローテーションして次の日も同じ靴を履かないようにすることも靴内の雑菌の繁殖を防ぎ、汗疱になりにくくします。5本指ソックスは、指の間の汗を吸い取るので汗疱の人に効果があります。
制汗クリームを塗る
引用元:http://www.cosme.net/
足裏に制汗クリームを塗ると、足裏の汗が出ることを抑えてさらさらした足を持続します。足から汗が出ないと、高温多湿にならないので汗疱の予防になります。制汗クリームの中でもサラフェプラスは、皮膚の上に膜を張るのではなく、毛穴を引き締めるので、汗がダラダラと流れないようにします。
そのため、敏感肌の人にも使うことができて、顔から足まで全身に塗ることができる制汗クリームです。おまけに保湿成分や美肌成分も含まれているので、足裏をきれいな状態に保ちます。
運動をして汗をたっぷりとかく
汗疱は汗腺がつまったことによりできるので、運動をして汗腺を広げ、汗をしっかり出すと、汗疱になりにくいです。真夏に汗疱が減るのは、汗がよく出て、汗口が詰まっていないためと考えられます。ウオーキングやジョギングなどの適度な運動をすることで詰まりやすい汗腺が開き、体のデトックスにもなります。
たっぷりと汗をかいた後は、シャワーを浴びるか、汗をふき取って、水分が残らないようにします。靴下は運動後、履き替えましょう。
血流を良くして足汗を抑える
入浴する
ぬるめのお風呂に入浴しながら、足の裏をマッサージします。足の裏にはたくさんの神経があります。足の裏をマッサージすることで体の血行が良くなります。入浴時はより血行が良くなるので効果的です。
足指運動でグーチョキパー!
椅子に座っているときは、足の指をグーにしっかり握ってパーで開くという動作を繰り返すと血行が良くなります。チョキは親指はそらして他の指は握ります。足の指を使って手とじゃんけんをすると楽しみながらできます。それが難しい人は、グーとパーだけでも効果があります。
指でタオルを引き寄せる運動
椅子に座りタオルを敷いた上に両足をのせます。足の指でタオルを自分の方へたぐり寄せる運動です。
自律神経を整える
自律神経は汗の調節をつかさどっていて、精神的なことがあると汗がたくさんでるので汗疱ができやすくなります。腹式呼吸や足つぼで自律神経を整えましょう。
腹式呼吸で副交感神経を優位にする
汗は自律神経の交換神経と深く関係しています。脳の視床下部から汗を出すようにという命令が交感神経に伝わり、汗を出すのです。特に、精神的なものは足の裏の汗につながりやすいです。交感神経を抑え、副交感神経を優位にするには、腹式呼吸を行うといいと言われています。
腹式式呼吸を5分以上続けることで、副交感神経が優位になりリラックスできるようになります。人前にでて緊張するときやストレスがかかるときは椅子に座ってでも立ったままでもいいので腹式呼吸をするだけで、気持ちが落ち着きます。
足つぼで自律神経のバランスをとる
引用元:http://www.sukkiri-cafe.com/
足つぼは神経線維が密集している所です。ツボを押すと、交感神経が緊張して働きますが、それを調節するために副交感神経も働きだします。そのようにうまくバランスをとっています。足裏のツボは第二の心臓と呼ばれているので、ツボ押しで、自律神経を整え、リラックスしましょう。
リラックスできる足つぼは、足指を曲げた時にへこむ部分で、太陽神経叢と呼ばれるツボです。このツボは自律神経をつかさどっていて、精神を安定させ、寝つきをよくし、内臓が活発になります。
汗疱で足裏も臭い!どうにかしたい
足裏が高温多湿になると、汗疱ができやすく雑菌が繁殖するため、汗疱が悪化して足裏も臭くなります。足裏の臭いを改善するポイントは次の点です。
- 抗菌靴下を履く
- 食生活を改善する(刺激の強い食事やたばこ、アルコール、動物性たんぱく質を避け、抗酸化作用のある緑黄色野菜を食べる)
- 靴をローテーションする
- 制汗剤をぬる
- 抗菌用ウエットテイッシュを携帯し、汗をふき取る
- 5本指ソックスは消臭効果がある
最後に
足の裏にできた汗疱の治療は、ステロイドを塗り、尿素入り軟膏で保湿します。足の裏が高温多湿にならないように、吸湿性がよく通気性がいい靴下や靴を履いて、血流を良くし、自律神経を整えましょう。汗疱は、はっきりとした原因が解明されていないので繰り返しできる可能性があります。汗疱が悪化した場合は、皮膚科を受診して相談することがおすすめです。