足の裏や手のひらに水ぶくれが出来てしまい、痒みや痛みに辛い思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。

特に、足の裏は長時間靴を履いて蒸れてしまい、足の裏や指の間に汗疱が出来て辛い痛みに悩む方も多くいます。

足の裏まで痛くて辛い「汗疱」とは

引用:www.mamakoso.com/

汗が原因でプツプツと水ぶくれが出来てしまう汗疱。正式には「汗疱状湿疹」といいます。

また、「異汗性湿疹」や「指湿疹」と呼ばれる場合もありますが、ここでは「汗疱」または「汗疱状湿疹」という表記で統一します。

痛くて辛い「汗疱」の特徴とは

手のひらや指、足の裏などにプツプツと水ぶくれが出来てしまったら、多くの方は「水虫になってしまった」と考える方も多いのではないでしょうか。

水虫はカビの一種、「白癬菌」に感染することで感染して発症し、家族やほかの人にも水虫をうつしてしまう恐れがあります。

反対に「汗疱状湿疹」の場合は、汗が原因となって発症し、ほかの人への感染の心配がないのが特徴です。

そのため、足の裏や手のひらに水ぶくれが出来たからといって水虫を治療するための市販薬を一生懸命塗っても、残念ながら汗疱には効果がありません。

自己判断で市販薬を使用するのではなく、皮膚科を受診することが足の裏まで痛くて辛い「汗疱」の症状を早く抑えるコツです。

痛くて辛い「汗疱」の原因を解説!

まず、汗疱は「汗」が原因で発症します。

湿疹として症状が現れる前に、1~2ミリ程度の大きさの水泡(水ぶくれ)が出来ます。

この時点では炎症はまだ起きていませんが、この小さな水ぶくれが出来てしまった状態が「汗疱」と呼ばれます。

汗疱の時点では水ぶくれ以外の自覚症状がありません。

そのため、汗疱の段階で皮膚科を受診・治療する人は多くありません。

汗疱の状態である水泡が破裂すると、皮膚が裂けて症状が悪化して「湿疹」になります。

この痛みやかゆみを伴う湿疹の状態が「汗疱状湿疹」と呼ばれます。

汗疱状湿疹は、初期の段階で特に強い痛みやかゆみを伴います。

正しい治療を行うことで、汗疱状湿疹は2週間ほどで治癒すると一般的に言われています。

しかし、炎症がひどくなったり、赤くただれてしまったり、重症化するケースも多くありますので、症状に気づいたらより早く専門医の診察を受けることが大切です。

汗疱が発症するメカニズムとは

汗をよくかく季節といえば、「夏」というイメージがありますよね?

実は、反対に真夏は汗疱の発症が少なくなるといわれています。

汗疱の原因は「汗」ですが、汗疱が発症する詳細なメカ二ズムは残念ながら明らかになっていません。

汗疱は、春先や秋口に発症することが多くなります。

一説によると、汗をかく状況にも関わらず、汗の出口である「汗口」が十分に開かないため汗を上手くかくことが出来ずに「汗が皮膚の内部にたまって水ぶくれになってしまう」と考えられています。

反対に、真夏になると発汗量が増えるため、汗口が汗の勢いで押し広げられるために汗が通って皮膚内部に汗が溜まらずに済むと一般的に考えられています。

汗疱が湿疹となってしまう明確な原因はまだ明らかになっていませんが、水ぶくれの中に溜まっていた汗に含まれるアレルギー物質が周囲の皮膚にアレルギー反応を引き起こした「アレルギー性皮膚炎」の一種であるという説が有力となっています。

汗疱対策を解説!

繰り返しになりますが、汗疱状湿疹は「汗」が原因で発症すること以外、発症の詳しいメカニズムは明らかになっていません。

また、水虫と症状が非常に似ている汗疱状湿疹ですが、水虫の治療薬では効果がありません。

自己判断せず、速やかに皮膚科を受診しましょう。

薬による治療(ステロイド剤など)

引用:http://sukoyaka-labo.com/

痛みなどの症状がひどい場合、薬で症状を緩和させることが得策です。

特にかゆみがひどい場合には、かゆみが我慢出来ずにかきむしってしまうと、「サイトカイン」というかゆみを増長させる物質されてしまい、余計にかゆみが強くなってしまいます。

そのため、かけばかくほど痒みが強くなる「イッチ・スクラッチスパイラル」という負の連鎖に陥ってしまいます。

その結果、患部が荒れて症状がよりひどくなり、痛みも強くなります。

完治までの時間も長くかかってしまうため、効果的に必要最小限の投薬治療を受けることが必要です。

皮膚科を受診した際には、汗疱状湿疹の場合は一般的にステロイド外用薬、サリチル酸を使われることが多くなります。

また、症状に合わせて抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を処方される場合もあります。

しかし、薬にばかり頼っていると汗疱状湿疹が再発しやすくなったり、重症化しやすくなってしまいます。

薬の力を効果的に借りつつ、体質改善や生活環境の見直すなど、汗疱状湿疹の出来にくくしていくことも非常に大切です。

汗をこまめにふく

汗疱状湿疹の原因は「汗」なので、こまめに汗を拭くことがポイントです。

冬になり、気候が寒くなると汗をかかなくなりますが、真夏の時期よりも汗疱が発症しやすくなります。

特に冬はブーツを履いたり、靴下も分厚くなるので、足は長時間「高温多湿」の状態となり、足の裏や足の指の間などに汗を多くかくなために汗疱状湿疹が発症しやすくなります。

五本指の靴下を選ぶだけでも汗の吸収がよくなります。

汗疱の予防にも繋がりますので、オススメです☆

最近は素敵なデザインの五本指靴下も沢山販売されていますので、ぜひ日頃のオシャレに五本指靴下を取り入れてみてくださいね。

「汗疱」の原因、汗対策を解説!

ここでは、汗疱状湿疹の原因となる汗対策を紹介します。

汗の対策をしっかりと行い、汗疱の発症そのものを抑えていきましょう!!

ツボ押しによる汗対策

ここでは、発汗ケアに効果のある2つのツボをご紹介します。

ツボ押しは習慣的に行う事で効果を発揮します。

電車の待ち時間など日常生活のスキマ時間でこまめに行っていくと良いですよ☆

労宮(ろうきゅう)

引用:http://kvestiya.com/

労宮は、リラックスに効果のあるツボです。

まず、手のひらを軽く握ってみましょう。

このときに中指の先が当たる場所が「労宮」の位置です。

合谷(ごうこく)

引用:kenka2.com/articles/2000

合谷は、神経過敏症に効果のあるツボです。

合谷は手の甲にあり、親指と人さし指の間の位置にあります。

合谷は、ひきはじめの風邪や頭痛、歯の痛みなど多くの効果があり「万能のツボ」とも呼ばれています。

精神療法・心理療法による汗対策

手足の多汗は、緊張や精神的ストレスが原因で起こりやすくなります。

そのため、カウンセリングなどの精神的なアプローチが手足の汗に効果を発揮する場合がありますが、個人差があります。

塩化アルミニウム液による汗対策

塩化アルミニウム液は、汗を抑える方法として有名です。

皮膚科で処方してもらうことが出来ます。

薬局でも一般的に販売されているため、誰でも簡単に入手することが出来るという利点があります。

塩化アルミニウム液の注意点

汗の気になる部分に塩化アルミニウム液を塗ることで「汗腺にフタをして発汗量減らす」という作用があります。

汗の出口である「汗腺」が閉じてしまっていることが汗疱の原因となるケースがありますので、塩化アルミニウム液による汗対策が向いていない方もいるので注意が必要です。

薬局などで手軽に手に入れることが出来ますが、個人の判断ではなく皮膚科医の指示のもと行う方が良いでしょう。

ボトックスによる汗対策

「ボトックス」というと、美容整形のイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。

持続期間は3カ月~半年と個人差がありますが、ボトックスは多汗にも効果があります。

患部にボトックスを注射するだけなので、施術時間が10分程度と短時間で出来る利点があります。

塩化アルミニウム液による汗対策と同じく広くし知られている対処法です。

最後に

いかがでしたか?

汗疱状湿疹は強い痛みやかゆみを伴い、水虫と区別が難しいですが、汗疱は汗が原因のため予防がしやすいのが特徴です。

日頃から汗対策をしっかりと行い、痛くて辛い汗疱を予防していきましょう。