夏は汗の量が増えると共に、脇汗が垂れてくる。
冬は脇汗が服にしみこみ、汗じみが気になる。
など脇汗に年中悩んでいる人は少なくはありません。
どうにかして、この不快な脇汗を止めることはできないのでしょうか。
そこで今回は、脇汗の原因や脇汗の治す方法などをご紹介します。
目次
脇汗をかく理由
汗っかきではないのに、常に脇だけ汗ばんでいて、なんだかニオウ気がする。
ひょっとしてワキガ?と不安になってしまうことも。
人間は汗をかきますから、体温調節のためには、脇汗も必要ですが、異常に脇汗だけかいてしまうのであれば、何か対策を取ると良いでしょう。
では、そもそも脇汗をかく理由は一体何なのでしょうか。
・体温調節のため
脇汗は皮膚にある汗腺の一種である「エクリン腺」から排出されます。
エクリン腺は体温調節をする働きがあり、体に200~400万個あると言われています。
特に脇に集中しているのが特徴です。
これは、個人差があり、脇汗がよく出るという人は、一般的な人よりも、多くエクリン腺が脇に集中していることが、1つの原因です。
体温調節をする働きのあるエクリン腺から出る汗は、暑い日や身体を動かして身体が熱くなったときに、エクリン腺が体温を下げようとします。
体温調節は、夏だけ行われるものではなく、冬にも当然行われます。
特に寒い冬の場合は、身体が冷えているため、熱を作り出そうとして、代謝が活発になることから、脇汗が発生します。冬は長袖を着ているため、夏のように脇を出す服装はしません。
そのため、脇汗をかいたときに、服に脇汗が染みこんでしまい、汗ジミになってしまうのです。
・精神的な不安とストレス
緊張した時に、冷や汗をかいたことはありませんか?実は汗と心は密接な関係があります。
極度に緊張したり、不安を感じたり、ストレスを感じたりすると、交感神経が刺激されます。
そのため急激に発汗するのです。
日常生活で暑くもないのに汗をかく症状を「精神性発汗」別名「緊張汗」とも呼びます。
暑いときや運動をした時に体温調節を「温熱性発汗」と呼びます。
この精神性発汗と温熱性発汗は、同じ汗でも異なります。発汗する場所も汗の成分も異なるのです。
精神性発汗の汗は、エクリン腺が多くある手のひらや脇、顔、頭部などから発汗されます。
人間にとって必要な水分やたんぱく質、脂質まで汗と一緒に出てしまうことにより、ニオイがある上に、白っぽくべたつく汗です。
一方温熱性発汗の汗は、99%が水分で、うお残りの1%に塩分などが含まれているだけで、うおサラサラしており、ニオイはない汗です。
日常的にストレスを感じていたり、極度に緊張しすぎてしまうような人は、体温調節のためではなく、精神的要素から脇汗が発生していると言えます。
・食生活の乱れ
食生活と汗も大きな関係があります。食品の中には、脇汗を大量に出すものがあるのです。
それらは、肉類や乳製品、脂肪分の多い食材です。また刺激物やカフェインも同じです。
もともと和食中心である日本人には、多汗症の人はあまり見られませんでしたが、食の欧米化が進むと共に、ファーストフードや外食産業が盛んになってきました。
この食生活の乱れは、交感神経が優位になることから、汗を大量にかくことにつながるのです。
・運動不足
人間は汗をかくことで、体温調節を行っています。
汗は汗腺から、発汗するものですが、運動不足により、この汗腺の働きが鈍くなることがあります。
適度に運動をしていないと、汗腺の頻度が下がります。
そのような状態の時に、体温が上がり汗をかくと、脇になるエクリン腺が急激に活発に働いてしまうため、大量の脇汗をかくことにつながるのです。
・身体を冷やしている
冷え性の人は、汗をかくというイメージはあまりないかもしれませんが、実は冷え性の人ほど、汗かきが多いとされています。
一般的に冷え性の人は、血行が悪く体内の余分の水分が十分に排出されず、むくみやすい体質になります。
そのため、上手に排出されない水分を汗にして排出させようとするため、冷え性なのにも関わらず汗をかく人が多いのです。
・肥満
身体が大きな人は、汗をよくかくというイメージがあります。
身体にお肉がついていればいるほど、体内の熱が外に出ようとしても脂肪がそれを邪魔して、熱は外に逃げることが出来ません。
そのため、身体の大きい人は、体内温度が高くなりやすく、人よりもたくさん汗をかいて体温調節をしなければいけないので、汗を大量にかくのです。
また、肥満の人は、運動不足であったり、食生活の乱れからも、大量に汗をかく原因にもなっています。
・ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスが乱れることによって、汗をかきやすくなります。
ホルモンバランスは、生活習慣などの影響から乱れやすいといわれています。
また女性の場合は、一定のサイクルによって、ホルモンバランスが変化します。
更年期を迎えると、ホルモンバランスが乱れ、脇汗をかきやすくなるのは、自律神経の乱れが原因です。
・睡眠不足
睡眠不足は、にも美容にも悪いのですが、脇汗にも影響があります。
睡眠不足になると、自律神経の副交感神経がバランスを崩してしまい、汗をコントロールできなくなるため、脇汗が出やすくなるのです。
脇汗を止める方法
汗をかくことは、人間にとって必要なものですが、かき過ぎてしまうと実生活に影響が出てくる恐れがあります。
脇汗を止める方法には、さまざまな方法があります。
また汗が出ることで、ニオイも気になる人も多いでしょう。
ここでは、脇汗を止めるために、どんな方法があるのか、ご紹介しましょう。
・制汗剤で押さえる
一番手軽にできてポピュラーな方法です。
制汗剤はさまざま種類がありますが、それぞれの制汗剤の配合成分や有効成分の濃度なども異なるため、症状にあった商品を使用することが大切です。
一般的に制汗剤の種類は大きく分けて、クリーム、スティック、ロールオン、スプレーの4タイプあります。
それぞれに良い特徴がありますが、使い心地や香りなどの違いもおおきくあるため、好みが分かれます。
制汗剤を使用するタイミングは、汗をかいた後ではなく、汗をかく前に使用することが大切です。
制汗剤は汗を止める効果があるためです。
・汗止めバンドや紐を使用する
暑い夏でも着物を着ている舞妓さんが行っている方法です。
大包(だいほう)という、鎖骨の下あたりに汗止めバンドを巻くことで、ツボを刺激して、上半身の汗を止めることが出来ます。
・ハッカ油で体感温度を下げる
ドラッグストアなどで、気軽に購入できるハッカを使用することで、体感温度を下げることが出来ます。
ハッカ油5滴、無水エタノール10ml、精製水90mlを混ぜて、スプレーボトルに入れます。
暑いと感じる時、このハッカ油スプレーを首などに吹きかけると、体感温度が下がってきて、自然と汗を抑えることが出来ます。
・病院での手術
病院での手術で脇汗の原因である汗腺を取り除くことが出来ます。
しかしこの手術は、保険適用外のため、全額自己負担になり、費用は20万円~40万円です。
脇汗の原因であるエクリン腺は、手術しても完全に取り除くことはできませんが、手術をすることにより、少しでも汗を抑えたいという人には、有効的な方法です。
まとめ
いかがでしたか。今回は、脇汗の原因や抑える方法についてご紹介しました。
脇汗がひどいと、ニオイや汗じみが残ったりするので、周りの目が気になってしまいますよね。
放置せずに、しっかりと対策を取ることで悩みを改善することができるでしょう。