汗疱とは、手のひらや足の裏などに粟粒ほどの大きさの水疱がたくさん生じる病気のことです。

数ミリの小さな水疱が合わさって、大きな水疱になることもあります。

 

今回は、汗疱はどうして足にできるのか、ご紹介しましょう。

汗疱ができる原因

汗疱ができやすい人に共通して言えることは、「汗をかきやすい」ということです。

特に手のひらや足の裏などに、汗をよくかく人にできやすいと言われています。

では汗疱はどうしてできるのでしょうか。

実は、汗疱ができるはっきりとしたメカニズムは、いまだはっきりしてはいないのです。

汗疱とは字のごとく汗の水疱なのですが、最近の研究で、水疱の中に含まれる水分は汗ではないということがわかりました。

しかし、汗が何らかの原因であることは、確認されています。

しかし、汗疱ができるはっきりとした原因は分かっていないため、汗疱ができてしまう原因は、個人個人違います。また、誰にでもできるというわけではないので、特定の原因を見つけるのは、難しいかもしれませんが、下記の原因に当てはまるような人は、そうでない人よりも、汗疱になりやすい体質かもしれません。

 

発汗

夏場などの湿度の高い環境や、汗をかきやすい環境で生じます。

そのため、汗疱と発汗は大きな関係性があると言われています。

また多汗症の人は、汗疱が発生しやすいと言います。

汗が人より多く出てしまうため、皮膚の表面が汗によって、水分過多になってしまいふやけることで、毛穴がつまってしまうからと言われています。

金属製(接触性)アレルギー

敏感肌の人に多く見られます。ニッケルやコバルトなどの金属に接触すると、アレルギー反応を起こしてしまう場合があります。

ニッケルは豆類やチョコレートなどの食品に含まれることが多いです。

金属アレルギーの人が、ニッケルを含んだ食品を口にすると、体内で汗を大量に分泌させる働きが活性化し、よって、大量の汗をかくことになります。

ただし、食品に含まれるニッケルやコバルトは少量のため、あまり口にしない人であれば、あまり心配することはありませんが、大豆やチョコレートを食べて、汗が出やすい人は、金属アレルギーのテストを受けてみることをおすすめします。

 

ストレス

ストレスは万病の元と言われています。

実は、ストレスから自律神経が乱れ、汗疱が発症する場合があるのです。

自律神経には、体と活動的にさせる交感神経と、体をリラックスさせる副交感神経がありますが、自律神経が乱れると、交感神経ばかりが優先になってしまい、汗を大量に分泌させてしまいます。

大量に汗をかくことにより、皮膚が炎症してしまうのです。

あまり関係ないと思うかもしれませんが、汗とストレスは大きな関係があるのです。

 

食器用洗剤や有機溶媒

食器用洗剤や刺激物を触ることにより、手の保護膜となっている脂が落ちてしまい、それが原因で発症することもあります。

素手で、食器を洗ったり、掃除用の洗剤を使用して、手が荒れたことはありませんか?

これは、手の保護膜である脂が落ちてしまっている証拠です。

人の皮膚には、ある程度の必要の脂が必要であるため、それが落ちてしまうと、皮膚性湿疹の原因にもなります。

 

アトピー性皮膚炎

もともとアトピー性皮膚炎の人は、皮膚が弱いのが特徴です。

そのため、アトピー性皮膚炎の人は、汗疱が発症した場合、重症化する恐れがあります。アトピー性皮膚炎の人と、そうでない人に比べて皮膚のバリアが薄いため、汗疱以外の皮膚の炎症も起こしやすいのです。

また、炎症を起こしている状態で、アトピー性皮膚炎の人が汗をかくと、皮膚が過剰反応をおこしてしまい、皮膚が分厚くなってしまいます。そのため、体内の汗が体外に排出されにくく、汗疱が発症してしまうこともあります。

汗疱は水虫に似ている

手のひらにできる汗疱は、足の裏にもできやすいです。

手のひらに何か小さなプツプツができはじめると、単純に「手が荒れたかな?」と思うかもしれません。

一方、足の裏にできた場合は、「水虫」を疑うでしょう。

 

水虫=不潔なイメージがありますし、普通にドラッグストアで水虫用の薬を簡単に購入することができますから、小さなプツプツができて、水虫を疑った場合、多くの人が、水虫の薬を塗布することでしょう。

 

しかし、これはとても危険なことです。

なぜなら、水虫と汗疱では大きな違いがあるため、

汗疱なのに、水虫の薬を塗布してしまっては、悪化する恐れがあるのです。

ですから、小さなプツプツが出来てしまったら、水虫の薬を塗る前に、皮膚科に行きましょう。

 

汗疱が足のうらにできる原因

先ほど、汗疱ができやすい原因に説明しました。

また汗疱は繰り返し再発する可能性があるので、汗疱が発症した場合は、皮膚科で処方されたステロイド剤を塗布しながら、汗疱ができないように予防することが大切です。

 

汗疱ができやすい人は、手足に汗をかきやすい人と言われています。

そのため、汗の除去をこまめに行うことがおすすめの対策なのですが、足の裏の場合、その対策を行うのは、とても難しいです。靴や靴下を履いていると、どうしても足の裏が高温多湿状態になってしまうため、実は手のひらよりも足のうらのほうが、汗疱になりやすいのです。

 

汗疱になりやすい人や、汗疱が発症してしまった人は、できる限り、足の裏に汗をかかないようにするのがベストです。そこでおすすめなのが、5本指の靴下です。5本指の靴下を利用することにより、汗の吸収と発散を促すことが出来るからです。

また夏場は、仕事をしている人は、平日の日中などは難しいですが、せめて休日くらいは、通気性のサンダルなどを履きましょう。

 

 

汗疱の治療方法

汗疱が出来てしまい、痒みなどのひどい場合、皮膚科で処方されるステロイド剤で痒みを緩和させましょう。

一番いけないのは、掻きむしることです。

痒いからと言って、皮膚を掻きむしってしまうと、更に痒みが出てきてしまい、重症化するおそれがあります。

重症化してしまうと、治るまで時間がかかってしまうので、薬を効果的に使用する方法がおすすめです。

 

ステロイド剤がない場合でも、痒みを一時的に抑えることが出来る方法があります。

即効性の痒みを抑える方法は、冷やすことです。

水につけるのではなく、保冷剤などを使用すると、乾燥も防ぐことが出来るため、有効的な手段でもあります。

水で冷やしてしまうと、皮膚の水分と同時に乾燥してしまいます。

乾燥しすぎるのも汗疱が発症しやすくなってしまうので、あまりおすすめはしません。

 

汗疱を治すために、〇〇をしたら良いということはありますが、〇〇をしたから完治したということはありません。汗疱は自然治癒するものですが、汗疱ができやすい条件が整えば、いつでも再発する可能性があります。

そのため、ステロイド剤なので痒みを抑えるほか、体質改善や生活環境を見直して、汗疱ができやすい身体作りをすることが、最善の策と言えるのです。

まとめ

いかがでしたか?

足の裏にできる汗疱は、手のひらのできる汗疱よりも、靴下・靴を履いていることで、なかなか簡単に薬を塗ることはできません。

激しい痒みが伴った場合は、本当に辛いでしょう。

小さなブツブツが出てきたら、自己判断をせず、皮膚科に行き、薬を処方してもらうようにしましょう。

早急に適切な処置を行うことが、症化を防ぐことになるため、治りも早いはずです。