夏になると、自分の汗のにおいを気にする男性は少なくはありません。

または、自分では全く気にならないのに、家族から「臭い臭い」と言われてしまうお父さん。

男性は女性に比べ、汗をかきやすく、また汗臭くもなります。

ではそれはどうしてでしょうか。そこで今回は、汗臭い男臭の対策についてご紹介しましょう。

汗のにおい

本来、汗のにおいは無臭とされています。

サウナや岩盤浴などに入ったときに、大量の汗をかきますが、その汗は汗臭くありません。

ではなぜ日常生活にかく汗は臭くなるのでしょうか。

実は汗が臭くなる原因は、汗の成分が肌にいる雑菌と皮脂などが混ざり合ってしまうからです。

汗が肌にいる雑菌のエサとなり、その菌の老廃物と皮脂が臭いニオイに変化していくからなのです。

汗はかいてからすぐは臭いません。

しかし汗をかいて身体が熱くなると、体温を下げるために水分を蒸発させます。

その水分が蒸発した時に、臭いにおいが広がっていくのです。

汗はどこから出てくるのか

人間から出る汗は大きくわけて2種類あります。

それはサラサラの汗とベトベトの汗です。

人間の皮膚にある「汗腺」というところから、汗は出てきます。

その汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」と2種類のものがあり、それぞれに汗の性質や汗を出す仕組みが異なります。

・エクリン腺

エクリン腺は人間の皮膚のほとんどに分布しており、主に体温調節のために汗を出す汗腺です。

数にすると200万個から500万個といわれています。臭いはなく、色は透明です。

・アポクリン腺

全身に分布するエクリン腺にたいして、アポクリン腺はワキの下など、人間の限られた部分にしかありません。

またエクリン腺は独立して皮膚に開口しているのに対し、アポクリン腺は、毛根に開口部があります。

つまりアポクリン腺から出る汗は毛穴から出るということです。

アポクリン腺から出るあせも、エクリン腺同様、無臭ですが、色が乳白色です。

サラサラの良い汗とベトベトの悪い汗

エクリン腺から出る汗の99%は水分で、それ以外のほとんどは塩分です。

汗をかいたときになめると塩味がしたり、大量の汗をかくと白い跡が残るは、そのためです。

水に近い汗のため「良い汗」とされています。

ほとんどの水分のため、皮膚面で蒸発しやいのが特徴です。

これがサラサラの汗です。

一方、塩分以外の成分が多く含まれた汗は、様々な成分の濃度が高く含まれているため、ベトベトしており、蒸発しにくく、嫌な臭いが発生しやすいのです。

 

サラサラ汗とベトベトの汗の違いは、汗腺のろ過機能の違いです。

エクリン腺であろうと、アポクリン腺であろうと、開口部から汗が出る時に、汗のもとを作る分泌部から発汗します。

その際、ろ過機能がしっかりと働いていれば、分泌部からでてきた汗の元となるナトリウムやミネラルなどはろ過されます。

その結果、水分に近い汗になるため、サラサラしているのです。

しかし汗の量が多くなると、ろ過しきれずに余分な成分が含まれた汗になってしまうため、ベトベトしてしまうのです。

 

汗臭い男の臭いの対策

これから夏になり、どんどん汗をかくようになるでしょう。

少しでも、人から汗臭いと思われないためにも、どんな対策法があるのでしょうか。

汗をかいたら、こまめに拭く

汗をかいたらすぐに汗を拭く習慣を付けましょう。

汗を拭くことで、汗が蒸発するのを抑えることが出来ます。

制汗剤スプレーを汗をかいてから使用する人が多いですが、実はそれはあまり効果がありません。

汗をかく前にスプレーすることで、肌に潜んでいる菌を先に殺すことが出来るからです。

汗のにおいの原因は「雑菌」ですから、汗をかく前に肌に雑菌を殺しておけば、汗のにおいを抑えることができるのです。

汗腺を鍛える

汗を急激にかきすぎると、ろ過しきれずに、ベトベトの汗になってしまいます。

しかし、汗腺は適度に汗をかくことにより汗腺を鍛えることが出来るといいます。

そのため、運動を定期的にしている人の汗は、あまり運動をしていない人の汗よりもサラサラしています。

汗腺を鍛えること(適度の運動をして汗を出す)ことが、サラサラとした汗を出す秘訣なのです。

 

食生活を見直す

食生活と体臭には大きな関係があるとご存知でしょうか。

当然汗は皮膚から出る物ですから、体臭がきついと、汗の臭いも当然きつくなってしまいます。

そのため、食生活を見直せば、汗に臭いは抑えられるのです。

一般的に、動物たんぱく質は体臭を多く引き起こすと言われています。

・肉類

たんぱく質である肉類の消化はエネルギーをたくさん使用します。

エネルギーをたくさん消費するということは、その分体温が上がり、汗をかきやすくなります。

汗に含まれたたんぱく質や脂質を皮膚常在菌が分解することで、ニオイの元となります。

欧米人が日本人より体臭がきついのは、お肉をよく食べるからです。

・植物油を使用した食べ物

植物油に含まれるリノール酸は、コレステロールや中性脂肪を増加させる性質があります。

体内で酸化して、ニオイの原因をつくる過酸化脂質になるのです。

ではどんな食べ物が体臭を抑えるのでしょうか。

・抗酸化食品

ビタミンC、ビタミンE、Bカロテン、カテキン、ポリフェノールなどが多く含まれる緑黄色野菜や緑茶などには、抗酸化作用の働きがあるため、積極的に取りましょう。

たんぱく質や脂質の酸化を抑え、酸化臭を抑えることが出来ます。

・和食中心の食生活

脂肪やたんぱく質は人間に大切な栄養素ですが、取り過ぎてしまうと皮脂の分泌量が多くなり、ニオイの元になってしまいます。

欧米スタイルの肉食中心の食生活は、皮脂の摂取が多くなってしまうため、和食がおすすめです。和食は魚や野菜、雑穀米などの低脂肪のものが多く、脂肪の摂りすぎを抑えることができます。

身体を清潔に保つ

 

汗のニオイは皮膚にある常在菌が分解することで発生するため、原因菌をしっかりと洗い落し、細菌が繁殖しにくい清潔な肌にしておけば、汗のニオイは抑えることができます。

そのために、必要なのは、毎日の入浴です。

原因菌を洗い流すために、石鹸をつけて、ゴシゴシと洗いたいところですが、実はそうではありません。

皮膚の表面には、表皮ブドウ菌と呼ばれる善玉菌が存在します。

この表皮ブドウ菌が、ニオイを発生する細菌を少なくしてくれる役割があるのです。

石鹸でゴシゴシ洗ってしまうと、その表皮ブドウ菌も洗い流してしまうため、逆効果です。

たっぷりと石鹸を泡立てて、皮膚をマッサージするような感覚で身体を洗いましょう。

これだけでも体の汚れは十分に落とすことができます。

また、汗のニオイが気になるような、うなじ、ワキ、胸元、耳の後ろなどは、より丁寧にしっかりと洗いましょう。

湯船につかる

お風呂に入るとき、シャワーだけで済ませている人は、ぜひ湯船にも使ってください。

湯船につかることで、シャワーだけでは落としきれなかった皮脂がしっかり取ることができます。

また血行が良くなり、新陳代謝が活発になるため、身体の老廃物が貯まりにくくなります。

まとめ

いかがでしたか?汗をかくことは、人間にとってとても大切なことですが、ニオイがするのは、自他ともに嫌ですよね。

汗の臭いもエチケットの一つです。

サプリメントやデオドランド商品を使うことも汗対策の一つですが、生活を見直すことでも汗のニオイは抑えることができます。

ぜひ自分に合った対策を見つけ、臭わないさわやかな男になりませんか。