顔汗がひどいと、人前に出られない、人ごみに行けない等の悩みを抱えます。
ダラダラ汗が出る多汗症を体質改善をして直すためには漢方が効果的です。
漢方は、生薬を使用していて、植物の茎や根、鉱物など自然のものを利用して組み合わせて造った薬です。
多汗症の人の症状に合わせた漢方で顔汗がすごいとつらく思っているあなたの悩みを解消しましょう。
目次
顔面多汗症の症状
一般的に、汗が出るのは気温が高いときやスポーツをした後や高熱がでたときなど、体温が高くなると汗をだして体温調節をします。
しかし、多汗症の人は気温に関係なく寒い時でも大量に汗が出るのです。2010年の厚生労働省の調べによると、日本人の7人に1人が多汗症であり、米国の多汗症の人の2倍の数値であると推定されています。
多汗症の人のほとんどの人が局所的な多汗症で、主に汗をかきやすい場所は顔、わき、手の平が多いとされています。
軽度の人は汗ばんでいるくらいですが、重度の多汗症の人になると、拭いても拭いても滴り落ちるように汗が出てきます。特に顔汗がひどい人は、会議やレクリエーション、イベントなどに出席することが億劫になり、家で閉じこもりたくなりますね。
手の平多汗症の人は、握手ができないとかはさみが滑って使いにくいといった日常生活に支障が出てきます。サービス業などで客相手の仕事をしている人にとって大きな悩みの種となります。
顔汗がひどいのはなぜ?
他の所から汗が出ていないのに顔汗がひどい原因は色々あります。あまり動かない人が、顔からダラダラと汗を流していることがありますが、それは体を動かさないため、体の汗腺が休眠して動きがある顔から汗が出るからです。
人前でのスピーチなど過度のストレスがかかり、交感神経が緊張すると、自律神経の働きで顔汗がひどい場合があります。更年期になると、ホルモンの減少からバランスが乱れが顔汗の原因になっていることもあります。また、生活習慣が不規則な人や食事のバランスが摂れていない人も多汗症の原因となります。
悪性リンパ腫や内分泌異常、膠原病など、他に病気があって、それが原因で全身多汗症になっている場合もあります。
多汗症の人の症状に合わせた漢方とは?
漢方薬は、漢方では「気」「血」「陰」「陽」という体の状態から総合的に診察し、どの漢方が体に合っているかを判断して処方されます。その人の体質や汗がでる原因により処方される漢方薬が異なります。
漢方は生薬ですが、人によっては副作用が出ることもあるので、その時は医師と相談のうえ服用して下さい。
更年期症状による顔汗がひどい多汗症
更年期症状のときの多汗症は、かーっと熱くなって急に汗が出てきたり、顔だけがほてって熱い状態です。更年期になると、女性ホルモンが急激に減少するためホルモンバランスが悪くなります。このため、自律神経に影響を与え顔汗がひどい症状が出るのです。
黄連解毒湯
体力がある人で、体に熱がこもっていて、イライラして落ち着きがなうとか口内炎や皮膚炎が出来やすい場合、のぼせて顔が赤くなりやすい場合に体の熱をとり炎症をしずめます。
副作用として吐き気などがあらわれることがあります。
女神散
体力が普通の人で、血行不良で、のぼせやめまいなど女性ホルモンの変動によって起きる症状や月経不順などに効果があります。副作用として痒みや発疹、食欲不信、悪心などがおきる場合があります。
ストレスなどの緊張状態や精神的なことが原因の多汗症
過度のストレスや緊張状態にあるときは、交感神経が過敏になり、顔汗がひどい状態や顔が赤くなることがあります。そのような精神的なことからくる多汗症に効果がある漢方です。
柴胡桂枝乾姜湯
体力がない人で、口が渇き、のぼせや急に汗がダラダラと出てくる更年期症状を緩和する効果があります。
過敏な神経をリラックスさせて心身の働きを整え、体の熱や炎症をとります。
不眠症や神経症にも使われ、精神的な緊張状態からくる多汗症に効果がある漢方です。
副作用は胃がむかつくとか食欲の低下が見られます。甘草が配合されているのでむくみがでたり血圧が上昇することもあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯
体力が普通の人で、緊張状態にあるとかストレスがあるといった精神的なことが原因で多汗症になっている人に効果があります。精神的なことがあると疲労しやすくなり、気の巡りが悪くなるので熱が体にこもります。
柴胡加竜骨牡蠣湯は気の巡りを良くするので精神が落ち着きます。
副作用としてお腹が緩くなるとか、食欲不振や発疹、息苦しさなどが感じられる場合があります。
肥満気味の人の多汗症
肥満気味の人は、体脂肪が多いので保温になりますが、熱が逃げにくいため、汗をたくさん出して熱を下げようとします。そのため、顔汗がダラダラと流れて涼しい時でも熱いのです。
防己黄耆湯
疲れやすく、色白でぽっちゃり肥満タイプで、生薬の防已が水分の流れを調節して顔汗がひどい症状を抑えます。水分の代謝がよくなるため、むくみがちな足の水分を流し、体が軽くなります。
副作用として、胃の不快感や吐き気、かゆみ、赤みがあらわれることがあります。
血圧が上がることもあるので注意が必要です。
防風通聖散
比較的体力がある人で、便秘症やのぼせ、高血圧がある人やお腹周りに脂肪がつきやすい肥満の人の多汗症に適しています。
熱を外に発散させる生薬と水分の巡りを良くして便秘を解消する生薬が配合されています。
脂肪を燃焼するのでダイエット効果もある漢方です。
副作用として、心臓の鼓動が早くなったり眠れなくなったりすることがあります。胃の不快感や下痢になることもあります。
漢方薬はどこで購入できるか
漢方薬は医薬品と違い、薬局や通販で手に入りやすい薬です。しかし、一方では副作用もあるので、漢方を扱っている病院で総合的に診断してもらうか、漢方薬局で相談の上、購入することをおすすめします。
漢方を扱っているクリニック
東洋医学では4つの診察で患者を総合的に診ます。
目で見手診察する「望診」、聴覚で聞く観察と臭いをかいで観察する「聞診」、色々と患者に質問して症状や治療経過を見る「問診」、患者に脈やお腹に直接触れて診察する「切診」があり、その結果、患者に合う漢方薬を処方されます。
漢方薬の場合、顆粒や粉末の薬は保険診療で煎じ薬は自由診療です。自由診療の場合は医療機関により異なるのであらかじめ訪ねておくといいでしょう。
漢方の専門薬局
漢方の専門薬局では、薬剤師が相談に応じて、症状によって漢方薬を処方します。
漢方専門なので、漢方薬の知識が高く、症状に合わせた処方ができます。
ただ、保険は効かないので全額自己負担になります。漢方専門薬局でなくても、一般のドラッグストアでも漢方薬を取扱っています。
ドラッグストアはどこでも薬剤師がいるので、相談して購入するといいでしょう。
ネットの通信販売
インターネットでは漢方を出しているツムラや漢方薬専門の通信販売を行っているところもあり、手軽に手に入れることができますが、自己判断だと誤りやすく、副作用で合わないこともあります。
生薬で自然のものでもきつい薬があるので、購入しても服用できず、かえって無駄になることもあります。
最後に
顔汗がすごい多汗症には、漢方でゆっくりと改善する方法があります。
漢方は、その人の症状や体質を見て、薬を処方するので、体質改善にもなります。
水分の巡りや血の巡りが良くなるので、ダラダラと汗を抑えたり、神経を沈めたりしてリラックスできるなど、漢方薬によって効能が異なります。
購入はネットでもできますが、症状や体質に合った漢方を選ぶためには医師の診察や薬剤師に相談して購入する方が安心です。