治ったと思ったら、繰り返しできる汗疱という皮膚疾患は、最初は小さい1~2㎜ほどの水泡ができて、それがつぶれ皮がめくれて治っていきます。文字通り、汗がよく出る人にできやすいと言われています。では、足の裏に汗疱ができやすい原因や汗疱になる根本原因を探ってきましょう。
目次
足の裏に汗疱ができやすい原因
足の裏に汗疱ができやすいのは、足の裏に汗をかきやすいためです。足の裏が汗疱になる原因となるものがあります。
足の裏にかく汗の量
足の裏が臭くなる原因は、汗にあるのです。汗がほかの雑菌と一緒になって、匂いを発するようになります。足の裏は汗腺が多い場所なので汗が出る量は、1日に200ccにもなります。一般に汗は熱くなったときに汗を抱いて体温を下げる温熱性発汗が普通です。
しかし、足の裏の汗をそのままにしておくと、高温多湿になり、雑菌が繁殖して、臭いを放つ原因になります。足の臭いは、何とも言えないほど異臭がします。この汗がたくさん出ることが足の裏に汗疱ができやすい原因です。
足の裏の通気性の悪さ
足の裏に汗疱ができやすいのは、靴下や靴によって、足の中が高温多湿の状態になるからです。特に、営業で外を歩く人は、通気性が悪い革靴を履いて長時間蒸れた状態なので、汗疱ができやすくなります。また、ブーツや起毛の靴を履いて、靴の中が温かいままにしておくと、足から汗が出て靴の中が蒸れた状態になり、汗疱になる場合もあります。
足の裏は圧迫して汗疱が悪化しやすい
足の裏は、いつも地面につけて圧迫する部分です。水泡が破れて悪化することもあります。足の裏がかゆくてどこかにこすりつけて、ぼろぼろになることもあります。汗疱は、最初は透明な小さな水泡が急にいくつもできます。
水泡同士がくっついて、1cmほどの大きな水泡になることもあります。かゆみには個人差があり、普通はかゆみが現れませんが、周囲が赤くなりかゆみが強く痛みも伴う場合もあります。数週間で、水泡が吸収されて皮がめくれてわっかのようになります。
その後、できた水泡は治りますが、汗疱は繰り返し再発しやすい皮膚疾患なので、治ったと思ってもまたできることがあります。かゆくてかくことで悪化すると、異汗性湿疹になり治りがおそくなります。真夏よりも春、初夏、晩夏、秋に多く発生しますが、煖房の設備が整い、汗の出やすい足の裏は冬でもできるリスクがあります。
汗疱の根本的な原因とは?
足の裏の汗疱の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、金属などのアレルギーやストレスなどの精神性のもの、自律神経によるもの、免疫力の低下、生活習慣などが原因だと言われています。
金属などのアレルギーが原因
金属アレルギーのある人に多く発生していることから、食物の中に含まれる微量の金属や歯科材料用の金属があせに溶け出して、その周囲の皮膚が反応して異汗性湿疹になる一種のアレルギー皮膚炎ではないかとも考えられています。金属アレルギーがあり、汗疱に良くなる人は、アレルギーが原因の金属が含まれる食物や歯科で金属を入れ替えてもらうことで汗疱が改善することがあります。
石鹸やボディ―シャンプーには化学物質が含まれています。化学物質に対するアレルギーも原因の一つと考えられているので、植物由来の化学物質無添加の石鹸やボディシャンプーを使う方がいいでしょう。アレルギーに対してはパッチテストを行うと、アレルゲンが特定できます。
ストレスや自律神経の乱れ
いろいろな状況でストレスがかかる生活をしていると、自律神経が乱れて、多汗になることがあります。緊張する場面に出ると、汗が出ることと同じメカニズムです。自律神経は発汗をつかさどっている神経なので、自律神経が乱れることで、熱くなくても発汗します。発汗が多くなると、汗がたくさんでるので、汗腺が詰まりやすくなり汗疱になりやすいです。
免疫力の低下
免疫力が低下すると、いろいろな感染症にかかります。とくに、皮膚の機能をサポートし、皮膚の炎症等を緩和する働きがあります。ビオチンはビタミンB7とかビタミンHと呼ばれ、腸内フローラや腸内細菌叢でできる物質です。しかし、腸内フローラが悪化すると、便通が悪くなり、活性酸素が発生して免疫力も低下します。一部の悪玉菌はビオチンと一緒になるのでビオチンが欠乏してしまいます。
ビオチンは皮膚にとって大切なビタミンなので、欠乏しないように卵黄や青魚、レバー、大豆、ナッツなどの食物やサプリメントなどで補うといいでしょう。卵の白身にはビオチンと結合するアジピンが含まれているので白身はしっかりと過熱して食べましょう。病院のビオチン療法ではミヤリサンとビタミンCを一緒に処方されています。
生活習慣によるもの
寝不足や昼夜逆転の生活をしていると、交感神経と副交感神経の働きが乱れることがあります。また、たばこを吸っている人に汗疱ができる場合もあります。たばこを吸っている人にも汗疱ができる人がいることから原因の一つと言われています。
足の裏の汗疱を防ぐ方法
汗疱になると、素足が一番ですが、皮がめくれてひどい状態になるので、あまり素足が見せられないという声があります。足の裏は、靴や靴下を履くので非常に蒸れやすくなります。汗疱になりにくくするためには、足の蒸れを防ぐことが必要です。
通気性のよい靴や靴下を履く
靴や靴下は通気性のよいものを選びましょう。靴下は5本指だと、指の間の汗も吸い取るので足の汗疱になりにくいでしょう。メッシュの5本指靴下は特に通気性のいいのでおすすめです。また、抗菌、防臭、吸汗の靴下を選ぶと、汗疱が予防できます。
スポーツシューズの中にはメッシュ素材の靴があります。足汗をかきやすい人は、メッシュ素材の通気性がいい靴を選びましょう。合成皮靴の人は、汗をかくと蒸れて通気性が悪く、臭いのもとにもなります。最近では脱蒸れシューズでインソールに工夫を施している靴があります。合成皮より皮靴の方が蒸れが少ないですが、通気性を良くしたインソールを入れることで、蒸れを改善できます。
靴はローテーションして履く
同じ靴ばかり履いていると、汗が乾燥しない状態で履くことになり雑菌が繁殖します。そのため、皮膚疾患になりやすく、臭いも発生します。靴をローテーションすることで、靴の中の汗が乾燥し、雑菌の繁殖を防ぎます。消臭、抗菌スプレーを靴にかけておくと、次に履くときに安心です。
自宅では通気性のよいサンダルなどの履物
外出時だけは靴を履かないと仕方がないですが、自宅にいるときはできるだけサンダルなどの通気性のいい履物を使用して、汗がすぐに乾くようにしておきましょう。汗疱は水虫のような菌がないので、素足で歩いても家族にうつす心配がありません。
汗疱でむけた素足を見せたくない人は、靴下を午前と午後で履き替えて、履き替えるときにきれいに洗ってから水分を乾かして新しい靴下を履くといいでしょう。
入浴後は足の水分をきれいにふき取ってから薬を塗る
入浴後や靴下を履き替えるときに、水分を残したままにしておくと、汗をかいた状態と同じになります。入浴後は、水分をきれいにふき取り、しばらく足を乾かしましょう。乾かした後に、皮膚科から処方された薬を塗ります。一般に皮膚科ではステロイド薬と保湿薬が処方されています。
制汗剤が効果的
引用元:http://www.withcosme.com/lp/
汗がたくさん出る場所に汗疱ができるので、汗を抑制する制汗剤も有効です。サラフェプラスに配合されているフェノールスルホン酸亜鉛が、汗を膜で出ないようにするのではなく、毛穴を引き締めて出にくくするため、多汗なひとにおすすめの制汗剤です。
汗がたくさん出て、高温多湿の状態になると汗疱になります。サラフェプラスを使うと、肌がさらさらしています。保湿成分や美容成分も配合で足の裏の皮膚をサポートします。
最後に
足の裏は汗を1日にコップ1杯ほどかくので、汗疱ができやすい状態です。汗疱ができる原因は、足の裏には感染が多いので、汗をかきやすく、靴下や靴で蒸れて、高温多湿になるからです。足の裏は、地面につく部分なので、圧迫されて汗疱が悪化しやすい部分です。汗疱は水虫や掌蹠膿疱症とよく似ているので、水泡状の湿疹ができたら、早めの皮膚科を受診しましょう。