手とか足にできた水ぶくれ状のプツプツ。でき始めの汗疱は、そのまま放っておくと自然に治ることが多いですが、かゆくてかきむしったために悪化して異汗性湿疹になることがあります。汗疱は初期に薬を塗ると早く治ります。汗疱の治療にはステロイド外用薬がつかわれることが一般的で、医療機関で処方されるより弱いステロイド剤は市販でも購入することができます。

 

ステロイド外用薬が汗疱に効く理由

皮膚疾患にはステロイドが処方されるとききますが、ステロイドとは何かはっきりとわからない部分もあるので、調べたことをまとめました。

 

ステロイドとは?

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ステロイドとは副腎皮質ホルモンのことです。人間の副腎皮質で作られる副腎皮質ホルモンは、炎症を抑制する働きや免疫を抑制する働きなどがあります。ほかにも体の活動や糖やたんぱく質の代謝にかかわる働きなどがあります。ステロイドは、朝起きたときが一番分泌量が多く、夕方から夜にかけて少なくなります。

ステロイド剤は、この副腎皮質ホルモンを人工的に作り出し、皮膚疾患や病気の疾患に使われています。ステロイド剤には外用薬、飲み薬、注射薬、吸入剤などがあります。汗疱ではステロイドの塗り薬が使われています。

ステロイド塗り薬は、皮膚の炎症を抑えて湿疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療に非常に効果が高い塗り薬です。ただ、ステロイド剤は皮膚に効能があり、アレルギーを抑えますが、その反面、免疫力も抑えるので、ヘルペスやガンジタなどの菌による皮膚疾患には効きません。

また、強いステロイド剤を長期間使用すると、皮膚細胞が増えにくくなるので、皮膚が再生しにくくなります。そのため、塗るときは決められた量のステロイド剤を使用するよう処方されています。決められた量のステロイド剤の外用は、効果が高く、いち早く汗疱が治ります。

 

ステロイド外用薬の種類

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ステロイド外用薬には、クリーム、ローション、軟膏などが処方されます。ローションは浸透しやすく、べとつきませんが、皮膚を保護するという点においては、クリームや軟膏に劣ります。クリームは適度な浸透性や皮膚の保護がありローションと軟膏の中間です。

軟膏は、べとつきますが皮膚をしっかりと保護します。両方の手のひらにクリームや軟膏を塗るときは、人指し指の先の関節分だけの量で十分です。また、ステロイドの副作用を気にして少なすぎる量しか塗らないと効果が出ません。

炎症の程度によって、医師からの指示があるので決められた処方を守って外用しましょう。汗疱の治療ではステロイド外用薬や保湿性がある尿素入りクリームが一緒に処方される場合があります。

 

ステロイド外用薬の強さ

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医療機関で処方されるステロイド外用薬の強さは、5段階あり、市販薬は弱い方の3段階です。

  • 最も強い(Strongest)
  • とても強い(Very Strong)
  • 強い(Strong)
  • 普通(Medium)
  • 弱い(Weak)

汗疱は水虫や掌蹠膿疱症などの水泡ができる疾患と間違えやすく、症状によって処方が異なるので、医師の診察をうけることをおすすめします。水虫の場合は、白癬菌による皮膚疾患なので、ステロイド剤を塗るとひどくなります。

汗疱がひどくなり、化膿してきた場合や範囲が広がって湿疹がたくさんできてきたなどの症状がみられるときは早めに医療機関を受診して、汗疱かどうかををみてもらいましょう。

 

汗疱にいいとされている市販薬~ステロイド薬

汗疱や湿疹、あせもなどとわかっている場合は、市販薬でステロイド剤を購入することができます。ステロイド剤の市販薬にはいろいろな種類があります。汗疱を治すために市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談して購入することをおすすめします。

 

市販薬の種類

市販薬には、ステロイド剤のみが入っている市販薬、ステロイド剤とかゆみ止めが入っている市販薬、ステロイド剤と抗生物質が含まれている市販薬があります。汗疱の症状で化膿してひどい症状には抗生物質入りのステロイド市販薬、かゆみがある場合はかゆみ止め入りステロイド市販薬がいいでしょう。

 

市販のステロイド剤の強さ

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市販薬のステロイド剤では、強い(strong)普通(medium)、弱い(weak)の3種類があります。汗疱の症状によって、使用する薬が異なります。

 

汗疱の炎症がひどく化膿した場合のステロイド市販薬

炎症がひどく化膿している場合に使うといいステロイド市販薬は、「フルコートF』や「ベトネベートN軟膏AS』で、ステロイド薬と抗生物質の成分が含まれています。この市販薬は強い(strong)に属する市販薬なので、顔などの皮膚が薄い部分への使用や肌が弱い子供には向きません。

 

汗疱の炎症があり、皮膚の薄い部分や子供の皮膚炎症の時に向いているステロイド市販薬

このステロイド薬は普通(medium)の強さの市販薬で、炎症がありかゆみが伴うときは、「ムヒアルファEX」がステロイド薬以外にかゆみ止めも入っているので向いています。かゆみが伴わないときはステロイド薬のみの「リビメックスコーワ軟膏」や「ロコダイン軟膏」が皮膚の薄い部分でも塗るときは向いています。

 

汗疱の炎症が軽い人に向いているステロイド市販薬

炎症が軽い人で、肌が弱い人向きのステロイドで効能は弱い(weak)です。市販薬にはステロイド薬のみの「オイチミンD」やステロイド薬とかゆみ止めが入っている「オイラックスデキサS軟膏」があります。

 

「アンテドラッグステロイド」と表記されている軟膏

ステロイド市販薬の効能書きに、「アンテドラッグステロイド」と表記されている塗り薬は、炎症に対して効果があり、体に吸収されると薬が代謝されるので副作用を抑える工夫がされている薬です。副作用が気になる人は、「アンテドラッグステロイド」がいいでしょう。

市販薬には「リビメックスコーワ軟膏」「プレバリンα軟膏」や「テレスHi」などがあります。

 

汗疱にいいとされている市販薬~非ステロイド薬

 

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汗疱にいいとされている市販薬は「コーフル」です。効能に「汗疱」と書かれています。コーフルは非ステロイド系の医薬品で、アクリノールが配合されていて殺菌作用があります。皮膚の細胞の活性化や再生を促すビタミンAやビタミンD2が配合されています。

コーフルは非ステロイド薬なので、汗疱が悪化した場合は効果がない場合があります。悪化した汗疱を早く治すためには、やはりステロイド薬の使用が早く治ります。

 

汗疱の原因になる汗を抑制する制汗剤

 

引用元:http://www.withcosme.com/

汗疱は、たくさん汗が出るときに、汗がたくさん出るために汗の出口が詰まってしまい、外に出なくなったため、水泡ができるのです。特に、多汗の人に汗疱が多いと言われています。汗疱ができにくくする一つの予防法としてに汗を抑制する制汗剤があります。

塩化アルミニウム入り制汗剤は肌が敏感の人にはきつい場合があるので、フェノールスルホンサン亜鉛が配合されている制汗剤がおすすめです。フェノールスルホン酸亜鉛は、汗に吸着して汗の出口を流れにくくする性質があります。従来の肌に膜を張って止める制汗剤と異なるので安心して使用できます。

スルホン酸亜鉛が含まれているサラフェプラスは、顔や手、足など全身に使える制汗剤で、使用感がサラサラです。汗疱のなりやすい部分に塗って予防することができます。

 

最後に

汗疱がかゆくて悪化すると湿疹状になり、その湿疹から化膿する場合があります。

一般に悪化した汗疱にはステロイド剤が処方されることが多いです。

ステロイド剤は、その症状によって処方される外用薬が異なり、強さも違います。

ステロイド剤は市販薬としても購入できますが、強さは弱い段階のものです。

かゆみや抗生物質などが入っているステロイド剤があるので、薬剤師に相談の上、その時の症状により、ステロイド剤を購入することをおすすめします。

市販薬を使っても効果が見られない場合は、医療機関を早めに受診して、医師の診察をうけましょう。